研究課題/領域番号 |
14J04073
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 彩夏 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | Infant-Directed Speech / オノマトペ / 言語獲得 |
研究実績の概要 |
乳幼児の言語発達には養育者からの言語入力が大きな影響を与えると考えられている。養育者が乳幼児向けに話すときに使われるInfant-Directed Speech(IDS)は、ゆっくりと、誇張した表現で、育児語やオノマトペを多用するという傾向があることが知られている。本研究では、IDSで頻繁に使用されるオノマトペを乳幼児がどのように理解、獲得するのかを明らかにすることを目的とした。 研究2年目は、昨年度に引き続き、研究1として、言語獲得前期および言語獲得期の乳児におけるオノマトペの理解に関して、実験の実施および分析を進めた。言語前期の9ヶ月児、言語獲得初期の12ヵ月児、言語爆発期の20ヶ月児を対象に、オノマトペの直感的な理解が可能かを、一般語との比較を通して検討したところ、各月齢で異なる注視パタンを示すことがわかった。また、乳幼児の語彙学習に与える言語入力の影響を明確化するため、研究2として、発話分析を行うことで、日本人養育者におけるIDSの特徴を検討したところ、IDSは幼児の年齢の影響を受けて変化し、親が持つ子どもへのことばかけの信念と関連することがわかった.さらに、IDSが言語獲得の足場かけ的側面を持つことを鑑みると、IDSの使用場面を認識することは、乳幼児の言語学習にプラスに働くと考えられる。これを踏まえ、研究3として乳幼児におけるIDSおよびAdult-Directed Speech(ADS)の使用場面の理解を検討したところ、2歳前後の乳幼児であってもIDSとADSの使用場面の理解は始まっているが、まだ不完全である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題に関して国際学会で2件の発表を行い、また、国内誌で論文が採択されたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在分析中のデータを国内外の学会で報告、また論文を投稿し、国際誌での採択を目指す。さらに、触覚経験が乳幼児のオノマトペ認識に与える影響及び養育者によるIDSにおけるオノマトペ使用とIDSの他の特徴との関連を検討する。
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