研究課題
マウス胎児組織のエピジェネティックな解析を行うにあたり、少ない細胞数からの効率的なChIP-seqを可能にすることは研究計画を遂行する上で大変なスピードアップにつながる。そこで、既に咽頭弓組織を用いたChIP-seqの実験系を立ち上げていた共同研究者であるFilippo Rijli博士の研究室に赴き技術を習得・改良して、実際それをもちいて胎児組織のゲノムワイドなヒストン修飾を解析できた。具体的には、最近報告されたライブラリー作成においてトランスポゼースを活用したChIPmentationという方法を導入することで、通常なら100万から1000万細胞が必要なところを、抗H3K4Me2抗体とH3K4Me3抗体ならば5万細胞、抗H3K27Me3抗体と抗H3K27Ac抗体であれば20万細胞と、総じて1/10以下の細胞数で解析が可能になった。現在この解析手法をホメオボックス遺伝子を含む転写因子にまで拡張しているところである。昨年度はChIP-seqの進捗状況に若干の遅れが生じて一部予算を繰り越すことになったが、今回の新たな技術の取得でその遅れを補って余りあるほどのアドバンテージを得ることができたと考えている。
1: 当初の計画以上に進展している
小細胞数からのChIP-seqプロトコルを習得したことで、胎児組織からのエピジェネティック解析が大幅に効率化したため。
今回習得したChIP-seq技術を転写因子に適応することで、発生期における遺伝子の制御の全体像に迫る。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Congenital Anomalies
巻: 56 ページ: 12-17
Developmental Biology
巻: 402(2) ページ: 162-174
10.1016/j.ydbio.2015.04.007