貴機構により特別研究員として採用された結果、以下の研究成果を得るに至った。 ・海外査読付きジャーナル: 2本、国際学会での研究発表: 3件、国内学会での研究発表: 1件
本研究課題では、新学術領域でも注目される「プラズマ医療」における基礎機構の解明および指標の提案を目的として研究を行った。プラズマがん治療プロセスでは、プラズマにより生成されるRONS (Reactive Oxygen and Nitrogen Species) と呼ばれる活性種が重要な役割を果たすと考えられている。しかしながら、プラズマが活性種を生成し細胞などが反応するまでのプロセスは定性的にはわかっているものの、どの程度の量の活性種を投入した時に、どの程度の細胞が不活性化されるかといった定量的な議論はこれまでほとんどされてこなかった。こういった問題を解決するために、医療を模擬した条件においてレーザー計測を行い、活性種の表面近傍の密度分布を計測した。 本研究課題は、その研究成果を国内・海外含む4件の学会で発表された。2015年3月に行われた静電気学会春期講演会では優秀論文賞を受賞したほかにも、多くの学会でその研究成果は注目を集めた。プラズマがん治療はまだ臨床応用に向けて多くの課題が残っているが、本研究の成果を踏まえ所属研究室では引き続き研究を行っている。また、世界中の研究者が協働し実用に向かうことで、さらなる本文野の発展や科学による社会への貢献が行われることを期待する。
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