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2015 年度 実績報告書

マイクロRNA-33a/bとそのパッセンジャー鎖による代謝調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14J05148
研究機関京都大学

研究代表者

西野 共達  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードマイクロRNA / 脂質代謝 / HDL-コレステロール
研究実績の概要

1) miR-33bと動脈硬化について
miR-33bノックイン(KI)マウス(ヒト化マウス)と動脈硬化モデルApoE欠損マウスを掛けあわせ、動脈硬化の発症・進展について、動脈硬化巣の病理組織、遺伝子発現等から検討する。miR-33b+/+Apoe-/-マウスでは、miR-33b-/-Apoe-/-マウスと比べて、血清HDL-C値の低下を認め、動脈硬化巣の増大と質的悪化を認めた。またこれまでmiR-33ノックアウトマウスでは認められなかったリポ蛋白代謝の変化を認めており、現在このメカニズムについて更なる検討を加えている。(2) miR-33欠損マウスとmiR-33bノックインマウスの交配について
miR-33a-/-miR-33b-/-マウス(miR-33欠損マウス)、miR-33a+/+miR-33b-/-マウス(野生型)、miR-33a-/-miR-33b+/+マウス(ノックインノックアウトマウス)、miR-33a+/+miR-33b+/+マウス(miR-33bノックインマウス、ヒト化マウス)の四系統のマウスの樹立に成功しており、現在これらのマウスの血清脂質プロファイル等のデータを収集している。これにより、miR-33a、miR-33bの全身での脂質代謝における役割を詳細に検討することが可能となっている。
3) 臓器特異的miR-33a欠損マウスを用いた検討について
miR-33aflox/floxマウスを樹立しており、現在Albmin-Cre ERT2マウスとの交配を開始し、肝臓特異的miR-33aノックアウトマウスの系を樹立している。これから、血清脂質プロファイルを始めとした機能解析を開始していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

miR-33a/a*、miR-33b/b*の生体内における脂質代謝調節機構を明らかにするためには、適切なモデル動物の確立が必要となる。昨年度miR-33bノックイン(KI)マウスを樹立することができ、今年度、これらのマウスとすでに樹立済みであったmiR-33aノックアウトマウスとの交配によりmiR-33a、miR-33bの有り無しそれぞれの計4系統のマウスラインを作成した。これにより血清脂質プロファイル等の脂質代謝へのmiR-33a/bの詳細な役割検討が期待でき、現在解析を開始している。
また、miR-33bの動脈硬化疾患における役割検討のため、miR-33bKIマウスとApoeノックアウトを交配し行った実験からmiR-33bによる血清HDL-C値低下が動脈硬化悪化をもたらす事が明らかとなった。
以上のことから、現在までのところ、研究は概ね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

(1) miR-33bと動脈硬化について
上記のように、miR-33bは血清HDL-C値の低下を介して動脈硬化悪化につながることが明らかとなりつつある。今後は、治療対象としての可能性を考慮して、核酸製剤を用いたmiR-33抑制による動脈硬化への影響を検討する。
(2) miR-33bコンディショナルノックインノックアウトマウスの作成
miR-33bノックインマウス(ヒト化マウス)は、これまでの実験過程で血清HDL-C値以外のフェノタイプが確認されてきており、miR-33bの臓器・組織特異的の機能解析のため、ノックインマウスにおいてCre-loxPシステムを用いてmiR-33bを臓器・組織特異的にノックアウト行えるマウスの作成を検討し、作業を開始しており、継続予定である。
(3) 4系統マウスのフェノタイプ解析
miR-33a / miR-33bの有無による4系統マウスのフェノタイプの解析を継続する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] High-density lipoprotein cholesterol levels and cardiovascular outcomes in Japanese patients after percutaneous coronary intervention: a report from the CREDO-Kyoto registry cohort-2.2015

    • 著者名/発表者名
      Izuhara M, Ono K, Shiomi H, Morimoto T, Furukawa Y, Nakagawa Y, Shizuta S, Tada T, Tazaki J, Horie T, Kuwabara Y, Baba O, Nishino T, Kita T, Kimura T; CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2 Investigators.
    • 雑誌名

      Atherosclerosis

      巻: 242(2) ページ: 632-638

    • DOI

      10.1016/j.atherosclerosis.2015.05.010.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] MicroRNAs and High-Density Lipoprotein Cholesterol Metabolism.2015

    • 著者名/発表者名
      Ono K, Horie T, Nishino T, Baba O, Kuwabara Y, Kimura T.
    • 雑誌名

      International Heart Journal

      巻: 56(4) ページ: 365-371

    • DOI

      10.1536/ihj.15-019.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Expression Patterns of miRNA-423-5p in the Serum and Pericardial Fluid in Patients Undergoing Cardiac Surgery.2015

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto S, Usami S, Kuwabara Y, Horie T, Baba O, Hakuno D, Nakashima Y, Nishiga M, Izuhara M, Nakao T, Nishino T, Ide Y, Nakazeki F, Wang J, Ueyama K, Kimura T, Ono K.
    • 雑誌名

      PLos One

      巻: Nov 12; 10(11) ページ: e0142904

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0142904.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] MicroRNA-33b promotes formation of vulnerable atherosclerotic plaque2016

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Nishino
    • 学会等名
      新学術領域 転写体者システム若手ワークショップ
    • 発表場所
      山梨県
    • 年月日
      2016-02-04 – 2016-02-04
  • [備考] 京都大学医学部附属病院循環器内科 心血管疾患分子機構解明グループ

    • URL

      http://kyoto-u-cardio.jp/kisokenkyu/metabolic/

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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