研究実績の概要 |
まず去年に引き続き、N-スルホニルトリアゾールとチオエステルとの反応について検討をおこなった。すなわち、求核剤としてチオエステルを用いたところ、N-スルホニルトリアゾールから窒素分子の脱離を経て生成するα-イミノロジウムカルベン種の1,3-挿入が進行しβ-スルファニルエナミドが高い収率で得られた。また求核剤としてチオラクトンを用いたところ、同様にα-イミノロジウムカルベン種の1,3-挿入が進行し含硫黄中員環ラクタムが得られた。本研究成果は、ドイツ化学会誌にて報告した(Angew. Chem., Int. Ed. 2015, 54, 9967)。 続いて、ロジウム触媒存在下、N-スルホニルトリアゾールと2-(トリイソプロピルシロキシ)フランが反応し6-イミノヘキサジエンカルボン酸シリルエステルを与えることを見出した。さらにピリジン存在下、6-イミノヘキサジエンカルボン酸シリルエステルを加熱攪拌すると分子内環化が進行し、ジヒドロピリジン誘導体がえられることを見出した。N-スルホニルトリアゾールと2-(トリイソプロピルシロキシ)フランのそれぞれに様々な置換基を有する基質を用いても反応は問題なく進行することが分かった。また、得られたジヒドロピリジン誘導体はN-メチルマレイミドとのDiels-Alder反応により、イソキヌクリジン誘導体を与えることが分かった。現在これらの成果について、英文論文として学会誌に投稿準備中である。 また、ロジウム触媒存在下、1-トシル-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸メチルのベンゼン溶液を加熱攪拌することで、系中で生成したα-イミノロジウムカルベン種と溶媒のベンゼンが[3+2]付加環化してジヒドロインドール誘導体を与えることを見出し、現在その詳細について検討している。
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今後の研究の推進方策 |
ロジウム触媒存在下、N-スルホニルトリアゾールと2-(トリイソプロピルシロキシ)フランが反応し6-イミノヘキサジエンカルボン酸シリルエステルを与えることを見出している。さらにピリジン存在下、6-イミノヘキサジエンカルボン酸シリルエステルを加熱攪拌すると分子内環化が進行し、ジヒドロピリジン誘導体が得られることを見出しており、現在これらの成果について、英文論文として学会誌に投稿準備中である。 また、ロジウム触媒存在下、1-トシル-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸メチルのベンゼン溶液を加熱攪拌することで、系中で生成したα-イミノロジウムカルベン種と溶媒のベンゼンが[3+2]付加環化してジヒドロインドール誘導体を与えることを見出し、その詳細について検討していく予定である。
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