研究課題/領域番号 |
14J05233
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
早瀬 純也 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 上皮細胞 |
研究実績の概要 |
上皮細胞は、体内と体外を区切ることで異物侵入を阻止する一方で、腸管では栄養物を吸収し、尿細管では老廃物を排泄するといった多様な役割を果たす。上皮細胞がこのような適切な機能を発揮するためには、体外環境に接するapical膜と体内環境に接するbasolateral膜という性質の異なる膜ドメインを形成し、維持することが必要不可欠である。今までのところ、哺乳類上皮細胞において何がapical膜を規定し、どのような過程を経てapical膜が形成されるのかは明らかにされていない。本研究の目的は、主に培養上皮細胞を用いて、apical膜形成を促進するタンパク質(およびapico-basal polarity形成に必須な新規タンパク質)の同定、また長時間ライブイメージングによりapical膜形成過程を明らかにすることである。 昨年度は、上皮細胞のライブイメージングに適したapical膜マーカーを見つけ、また、細胞の光毒性を極力抑えたイメージング条件を見出すことで、長時間ライブイメージング技術を確立した。 本年度は、昨年度確立したライブイメージングを用いて、上皮細胞の形態形成過程を詳細に解析した。特に、昨年度見出したapical膜マーカーと、既知の脂質マーカーやbasolateral膜に局在するタンパク質マーカーなどを組み合わせることで、どのようにapico-basal polarityが生じるかを解析し、その過程を明らかにしつつある。今後は、本年度得られた結果を参考に、apical膜形成を促進する因子群、およびそのシグナリングカスケードを明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的の1つである上皮細胞のライブイメージング技術を順調に確立したこと、また、その確立したイメージング技術を用いることで、本研究のもう1つの目的であるapical膜形成を促進するタンパク質の同定に近づきつつある。本研究期間が終了するまでにはこれら2つの研究目的を完遂できると予想されるため、おおむね順調に研究は進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに確立したライブイメージングを用いて明らかにできた詳細なapico-basal polarity形成過程を参考に、apical膜形成を促進する因子群およびそのシグナリングカスケードを明らかにする予定である。
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