研究課題/領域番号 |
14J05243
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
皆川 朋皓 京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | エピジェネティクス / 血管内皮 / ヒストン修飾 |
研究実績の概要 |
ヒストン修飾酵素である因子Aのテトラサイクリン誘導性過剰発現細胞株、また、その関連遺伝子のテトラサイクリン誘導性過剰発現細胞株を作成した。これらを用いて、通常分化時と、各遺伝子の過剰発現時における血管内皮細胞、さらには動脈内皮細胞、静脈内皮細胞への運命決定に対する影響を観察した。因子Aやその関連遺伝子の過剰発現によって、血管内皮細胞への分化が促される結果を得た。 また、因子Aの機能阻害によって動脈内皮細胞への分化の割合が減少することを認めた。因子Aの関連遺伝子についても同じく、その機能阻害によって血管内皮細胞への分化の割合が減少することを認めた。 以上、因子Aとその関連遺伝子の過剰発現、機能阻害によって、これら遺伝子の血管内皮細胞分化、動静脈運命決定への関連性が示唆された。血管や動静脈の発生とエピジェネティクスとの関連性が詳細に報告されたことはこれまでなく、得られた結果は発生における新規のメカニズムを示唆するものである。 ただ、上記の結果は予想したほどの強力な影響ではなかったため、因子Aのみの過剰発現ではヒストンへの修飾機能があまり強められていないのではと考えた。因子Aは本来、他のタンパク質と複合体を作り上げ、機能している。そこで、現在はこの複合体に含まれるその他のタンパク質も全てテトラサイクリン誘導性に過剰発現する細胞株を作成中である。また、この複合体を構成するタンパク質のうち、どのタンパク質がどの程度ヒストン修飾の効率や修飾部位の特異性に影響するかを検討するため、各タンパク質の有無を様々に組み合わせた過剰発現細胞株も作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
得られた結果が当初予想していたものと異なったため、別のアプローチからヒストン修飾酵素と動静脈の運命決定との関連性を解明することとなった。 当初の計画と異なる実験内容となったが、複数の細胞株を作成し、予想するメカニズムを示唆する結果も得られていることから、研究の進行は概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
因子Aの複合体を構成する各タンパク質を様々な組み合わせで過剰発現する細胞株を作成後、この複合体による血管内皮細胞、動脈内皮細胞、静脈内皮細胞への運命決定に対する影響を観察し、ChIP-seqにて因子Aを含む複合体の標的遺伝子を特定する予定である。
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