研究課題/領域番号 |
14J05265
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
水内 佑輔 千葉大学, 園芸学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | 造園学 / 明治神宮 / 神社 / GIS / 風景 / 国立公園 / 田村剛 / 石神甲子郎 |
研究実績の概要 |
申請者の研究は、造園空間の来歴を明らかにする①歴史研究と、多義的な機能を持つ②空間の評価手法の構築の2つのパートから構成されている。 ①歴史研究に関しては、造園学の構築の原点でもあり、神社界との接点でもある明治神宮造営を転換点として捉え、神社空間のデザイン思想と手法の広がりを確認するという課題を設定した。この課題に対して、田村剛や石神甲子郎らに着目して、デザイン思想と手法の連続と非連続を明らかにした。この成果を鹿島出版会より刊行された学術書(共著)にまとめた。この研究を進める過程で、造園学の一領域である国立公園の通史に疑義が見いだされたため、通説の再検討を行う中で、造園家の空間に対する評価基準の再検討を行った。特に、田村剛の言説を検討し、その成果は査読付き学術ジャーナルに投稿・採用された。 ②空間の評価手法 本研究では空間計画に転用するために、人々の空間への評価をいかに取り込むかという問題設定をしている。この問題に対して、現実の空間とそれに対応する人間の知覚の仕方の相互対応関係を分析することで克服を目指している。今年度は、Visitor Employed Photography with GPSと命名したオンサイトの調査実験手法と分析手法の構築を行い、その成果は査読付き学術ジャーナルに投稿・採用された。さらに、本手法を用いて明治の森高尾国定公園において、オンサイトにおける利用者の空間評価の把握調査の実施を行った。調査対象者はおよそ250名であり、今後も継続して調査を実行することを予定している。また、この調査の一部部分の成果をまとめて、論文執筆を行った。この部分は、平成27年3月末に査読付き学術ジャーナルへの投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は造園空間の来歴を明らかにする歴史研究と、多義的な機能を持つ空間の評価手法の構築の大きく2つのパートから構成されている。後者に関しては、評価手法を構築し、実験調査を開始するなど、順調に進んでいる。しかしに、造園空間の歴史研究に関しては、当初の見通しとは異なり、通説に疑義が見いだされたたために再検討を行った。その結果として、当初の見通しよりも進展状況が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗状況は、歴史研究の部分でやや遅れているが、研究計画の大きな変更の必要性はないと思われる。このため、研究計画に沿って進める予定である。
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