研究課題
昨年度までの研究により、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬であるインドメタシンは抗炎症作用を持つにもかかわらずTh2型皮膚免疫反応においては炎症を増強すること、そのメカニズムとして、PGE2-EP2を介し、ケラチノサイトからの胸腺間質性リンパ球新生因子(thymic stromal lymphopoietin, TSLP)産生の増強がかかわっていることが示唆された。In vitroでケラチノサイトをPGE2-EP2アゴニストを用いて刺激すると、細胞膜上のPAR-2が細胞膜から細胞内へ移動する(internalization)という現象が誘導された。また、インドメタシンを塗布したマウス耳介皮膚ではケラチノサイト細胞膜上のPAR-2の発現が増強していた。以上より、PGE2-EP2シグナルはケラチノサイト細胞膜上のPAR-2のinternalizationを誘導することでTSLP過剰産生に対して抑制的に働くと考えられた。さらに、in vitro での検討で、EP2 アゴニストによってPAR-2がリン酸化され、PAR-2はcAMPでもリン酸化された。クラスリン阻害剤を添加すると、この現象が阻害された。さらに、PGE2-EP2刺激で細胞表面のPAR-2の発現が抑制され、クラスリン阻害剤を添加すると、PGE2-PE2刺激の効果は観察されなかった。以上から、ケラチノサイトにおいて、PGE2-EP2刺激によってcAMPを介してPAR-2リン酸化を生じ、PAR-2 internalizationが誘導されること、この現象はクラスリン依存性であることが示された。以上から、NSAIDsによるアトピー増悪のメカニズムの一つとして、NSAIDsによりPGE2産生が阻害され、EP2を介したPAR-2 internalizationが抑制されて、Th2型反応が促進されるという機序が考えられた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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