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2014 年度 実績報告書

ルイス塩基触媒を駆動力とする分子内連続反応系構築と多様性指向型天然物合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14J05610
研究機関東北大学

研究代表者

齋藤 虹矢  東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードLewis塩基 / トリブチルホスフィン / オーロン
研究実績の概要

2-(3-フェニルプロピノイル)フェノールに対しLewis塩基触媒を用いた位置選択的5-exo環化反応によるオーロン誘導体の新規合成法を検討した. 2-(3-フェニルプロピノイル)フェノールからオーロン誘導体を合成する場合, 塩基性条件では望む5-exo環化と同時に6-endo環化が進行し, フラボン誘導体との混合物となることが問題であった. この位置選択性の問題を解決するため2-(3-フェニルプロピノイル)フェノールに対し, 様々なLewis塩基を用いて検討したところ, EtOH溶媒中2.5mol%のPBu3を用いることで温和な条件下速やかに反応が進行し, 高収率かつ高選択的に5-exo環化体であるオーロン誘導体を得られることを見い出した. さらに基質適応範囲についても検討し, ベンゼン環上に電子供与性基および電子求引性基を導入した基質を用いても速やかに反応は進行し, 高収率かつ高選択的に対応するオーロン誘導体が合成できることが分かった. また重溶媒を用いた反応機構の解析から反応中間体としてイリドの生成が考えられ, 本反応が2-(3-フェニルプロピノイル)フェノールに対するLewis塩基の付加から始まることを明らかにした.
以上により, 適切なLewis塩基触媒を選択することで2-(3-フェニルプロピノイル)フェノールの6-endo環化および5-exo環化をそれぞれ選択的に進行させることができることを見い出し, 対応するフラボン誘導体およびオーロン誘導体の高収率かつ高選択的な合成法の開発に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目標である2-(3-フェニルプロピノイル)フェノールの位置選択的環化反応の開発について, ホスフィン系のLewis塩基を用いることで5-exo環化の選択性が向上することを見い出し, 特にEtOH溶媒中PBu3をLewis塩基触媒として用いることで高選択的かつ高収率でオーロン誘導体を得られることを明らかにした. また電子供与性基や電子求引性基をもつ基質を用いた場合でも対応するオーロン誘導体に変換することができることを見い出し, 様々なオーロン骨格を有する化合物の合成へ展開可能であることを示した.

今後の研究の推進方策

本年度の結果からLewis塩基触媒が2-(3-フェニルプロピノイル)フェノールに対して1,4-付加することで反応活性種が系中で生成することで, 位置選択的環化反応が進行することが明らかになった. 基質のフェノール性水酸基をアミノ基とすることで, 医薬品等で多くみられているキノロン骨格を構築できることが考えられる. そこで本反応の適応範囲を広げるべく, 2-(3-フェニルプロピノイル)アニリンを基質として用いたキノロン骨格の構築を目指すとともに, 本反応を利用した天然物の合成を検討する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] An Efficient Synthesis of Aurone Derivatives by the Tributylphosphine-catalyzed Regioselective Cyclization of o-Alkynoylphenols2015

    • 著者名/発表者名
      Koya Saito, Masahito Yoshida, Takayuki Doi
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 44 ページ: 141-143

    • DOI

      10.1246/cl.140910

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A concise total synthesis of biologically active frutinones via tributylphosphine-catalyzed tandem acyl transfer-cyclization2014

    • 著者名/発表者名
      Masahito Yoshida, Koya Saito, Yuta Fujino, Takayuki Doi
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 70 ページ: 3452-3458

    • DOI

      10.1016/j.tet.2014.03.073

    • 査読あり
  • [学会発表] 触媒量のPBu3を用いたo-alkynoylphenol類の選択的5-exo環化反応によるオーロン誘導体の合成研究2015

    • 著者名/発表者名
      齋藤虹矢,吉田将人,土井隆行
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      兵庫医療大学
    • 年月日
      2015-03-25 – 2015-03-28
  • [学会発表] Lewis塩基触媒を用いた連続的分子内アシル基転位-環化反応の開発と3-アシルフラボン誘導体の多様性指向型合成研究2014

    • 著者名/発表者名
      齋藤虹矢, 藤野雄太, 吉田将人, 土井隆行
    • 学会等名
      第105回有機合成シンポジウム
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2014-06-10 – 2014-06-11

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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