平成26年度から引き続き6月まで、オーストラリア国立大学アジア太平洋学部のRegulatory Institutions Network という、グローバル規制を分析対象として学際的な研究を実施している部門に滞在し研究を進めた。英文での論文執筆を開始し、滞在先の指導教官であるD教授や、論文中でキー・コンセプトの一つとなる"Social License"理論を代表する研究者であるG教授から具体的なフィードバックを得た。理論的な議論のみならず、メソドロジーのセミナーにも参加したことで、論文で用いるProcess Tracing Methodについての見識を深められた。 また、オーストラリア国立大学に訪問していた日本人研究者と交流することで、帰国後に東京大学で開催されている公開セミナーで発表する機会を得た。コメンテーターとして製薬企業の方を三名招き、活発な議論を交わすことができた。また、幅広いバックグラウンドを持つセミナー参加者との意見交換を通じて、論文に欠けている点を検討することができた。現在論文はほぼ完成の段階にあり、理論的な整合性を高め、構成を検討する最終段階を経た後に学術雑誌に投稿する予定である。
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