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2016 年度 実績報告書

セリン-脂質代謝軸の恒常性破綻による病態発症の分子基盤解明

研究課題

研究課題/領域番号 14J05809
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

江崎 加代子  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードセリン / スフィンゴ脂質 / 脂質生化学
研究実績の概要

統合失調症は、幻覚・妄想などの陽性症状、感情鈍麻、自閉などの陰性症状、認知機能の低下などの症状を示し、人口の約1%という高頻度で発症が報告されている精神疾患である。統合失調症は複数の遺伝的要因や環境要因により発症すると考えられており、近年の多くの臨床研究より患者由来の死後脳、繊維芽細胞、血球における脂肪酸やリン脂質等の脂質の減少、患者皮膚におけるスフィンゴ脂質の減少などが報告され、疾患と脂質の関連性は長く疑われてきた。極めて興味深いことに、統合失調症においても血中セリン濃度が低下している群が知られている。このことから、精神疾患とdoxSLを含むスフィンゴ脂質の産生に関連が見られるのかについて、統合失調症患者の死後脳サンプルを用いて検討した。
まず統合失調症群および交絡因子をマッチさせた対照群の死後脳について15例ずつ分析した。死後脳の部位としては、大脳の両半球をつなぐ神経細胞の軸索の束からなり細胞膜に富む白質部位である脳梁、および眼球の随意運動を制御して情動・動機づけに重要な働きを担う灰白質部位であるBrodmann area 8(BA8)を用いた。それぞれの死後脳からスフィンゴ脂質を抽出して分析を行ったところ、統合失調症患者の脳梁において対照群と比べて有意に一部のスフィンゴイド塩基の含量が低下していることが明らかになった。しかし一方でBA8では2群の間にスフィンゴ脂質含量の違いはみられなかった。精神疾患患者のほとんどは投薬治療を受けているため、次に投薬量とスフィンゴイド塩基含量の相関を検討したところ、弱い正の相関がみられた。しかし、対照群よりも投薬量が多い(投薬治療を受けている)患者群においてスフィンゴイド塩基含量の低下がみられたことから、患者群の死後脳スフィンゴイド塩基含量の低下は投薬の影響である可能性は極めて低いと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Biochemical analysis of neurotoxic sphingolipids in schizophrenia: postmortem brain study2016

    • 著者名/発表者名
      Kayoko Esaki, Shabeesh Balan, Shigeki Furuya, Yoshio Hirabayashi, and Takeo Yoshikawa
    • 学会等名
      RIKEN BSI Retreat 2016
    • 発表場所
      Miraikan Hall (Tokyo, Odaiba)
    • 年月日
      2016-09-16
  • [学会発表] アラニン由来神経毒性スフィンゴ脂質と精神疾患発症メカニズムとの関連の解明2016

    • 著者名/発表者名
      江崎加代子,Shabeesh Balan,古屋茂樹,平林義雄,吉川武男
    • 学会等名
      日本アミノ酸学会10 周年記念大会
    • 発表場所
      東京大学伊藤国際学術研究センター(東京都・文京区)
    • 年月日
      2016-09-11 – 2016-09-13
  • [学会発表] アミノ酸アラニン/セリン比の上昇で合成誘導される神経毒性スフィンゴ脂質doxSL と精神疾患メカニズムとの関連の解明2016

    • 著者名/発表者名
      江崎加代子,Shabeesh Balan,古屋茂樹,平林義雄,吉川武男
    • 学会等名
      第38 回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県・福岡市)
    • 年月日
      2016-09-08 – 2016-09-10

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公開日: 2018-01-16  

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