研究実績の概要 |
近年、EMTおよびMETががん転移に重要な現象であることが明らかにされてきたが、そのほとんどがin vitroでの解析であり、in vivoで実際にEMT・METが起きていることは未だに証明されていない。本研究では、in vivoでがん転移におけるEMT・METをイメージングによってリアルタイムで可視化することで原発巣からがん細胞が転移していく様子や、全身循環に乗って移動するがん細胞、また遠隔臓器で転移巣を形成する瞬間を捉え、がん転移におけるEMT・METの分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。EMT・METに対するプローブには光を用いたオプトジェネティクス技術を利用し、光照射によってEMTを誘導し、さらには上皮細胞と間葉系細胞を可視化するためのコンストラクトを考案した。まず初めにMelanopsinとNFATプロモーターを利用した遺伝子発現誘導システム(Ye et al,. 2011,. Science)の利用を試みたが、光照射によって遺伝子発現誘導がほとんど起こらなかった。そこでGAVPOおよびUASGを利用した他の遺伝子発現誘導システム(Wang et al,. 2013,. Nature Methods)を利用したところ非常に高いSignal/Noise ratioで遺伝子発現誘導を確認することができた。また上皮細胞に対する蛍光プローブとしてE-cadherinプロモーター制御下で蛍光タンパク質を発現するコンストラクト、光照射によってEMTを誘導するプローブの作製を終えている。
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