平成27年度は、平成26年度に引き続きゼロ金利下の財政政策の効果に関する実証分析を行ってきた。 この分析は平成26年度中にワーキングペーパーとして刊行し、平成27年度中に査読付きジャーナルに投稿を行ったが、大幅な改訂を求められたためその指摘に応える形で大幅に分析を変更してきた。 具体的には、長期金利と短期金利のスプレッドを用いて非伝統的金融政策を特徴づけ、さらに以前の分析では行わなかったカウンターファクチュアルシミュレーションを行い、もし中央銀行がゼロ金利政策を採用しなかった場合に財政乗数がどのように変化していたかを明らかにした。 以上の改訂はすでに完了しており、2016年3月にオーストラリア国立大学で開催された”Recent Issues in Finance and Macroeconomics”で報告し、また2016年8月に開催される”The 2016 Asian Meeting of the Econometric Society”での報告も採択されている。
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