研究課題/領域番号 |
14J06241
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金原 直也 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | シナプス / 超解像イメージング / 蛍光イメージング / カルシウムチャネル |
研究実績の概要 |
本研究では、シナプス前部においてカルシウムチャネルが形成するクラスター構造が持つ役割を明らかにすることを目的としている。当該年度においては、カルシウムチャネルのクラスター構造を可視化する手法の確立を行った。 初めに、シナプス前部におけるカルシウムチャネルの可視化方法の確立を行った。免疫染色法やカルシウムチャネルと蛍光タンパク質の融合蛋白質の過剰発現を用いることでシナプス前部におけるカルシウムチャネルの可視化を試みたところ、カルシウムチャネルの構成サブユニットのひとつであるベータ4サブユニットに蛍光タンパク質EGFPを融合したタンパク質(EGFP-b4)を発現させることで、シナプスにおけるカルシウムチャネルが可視化できることが明らかになった。更にカルシウムチャネルを約20 nmの解像度を持つSTORM顕微鏡を用いて観察したところ、カルシウムチャネルはシナプスにおいてクラスター構造を形成しており、クラスター構造の直径は約50 nm、クラスター間距離は約100 nmであることが明らかになった。また、カルシウムチャネルのクラスター構造と他の分子との位置関係を調べるために、シナプス前部に局在する分子であるMunc13-1とEGFP-b4を二色STORMイメージングにて観察した。その結果、カルシウムチャネルはMunc13-1から50nm以内の距離においてクラスター構造を形成していることが明らかになった。本成果はカルシウムチャネルのクラスター構造の正確な評価を達成したという点で重要な成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目的通り、シナプス前部におけるカルシウムチャネルのクラスター構造の可視化手法の確立、及びカルシウムチャネルのクラスター構造の大きさやクラスター間距離といった基本的性質の評価を完了した。また、次年度の予定であったカルシウムチャネルのクラスター構造を制御する分子基盤の解析にも既に着手しており、当初の計画以上の研究の進展が見られている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は問題なく進行しているので、当初の計画通りカルシウムチャネルのクラスター構造が持つ役割の解析を行う。蛍光グルタミン酸イメージング法とSTORMイメージング法を組み合わせることで、グルタミン酸放出の特性とカルシウムチャネルクラスターの特性との間で関連する性質を探索する。関連が見られた性質については、カルシウムチャネルのクラスター構造を制御している分子の発現抑制または過剰発現を行い、カルシウムチャネルのクラスター構造を変化させた時に、対応するグルタミン酸放出の特性が変化するかを評価することでカルシウムチャネルのクラスター構造が持つ役割を明らかにする。
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