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2015 年度 実績報告書

ショートスリーパー型マウス変異体の探索による睡眠要求量を規定する分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14J06417
研究機関東京大学

研究代表者

戸根 大輔  東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワード睡眠 / リン酸化 / 神経
研究実績の概要

睡眠時に見られる特徴的な脳波パターンを形成する上で重要と思われるカルシウム依存性カリウムチャネルの各遺伝子についてCRISPR技術を用いて遺伝子欠損マウスの作製を行った。さらに作製したマウスに対し、脳波計測により睡眠時間の測定を行った。この結果からSmall-conductance Ca2+-activated K+ channel (SKチャネル)遺伝子のノックアウトにより有意に睡眠時間が減少することが明らかになった。この結果からSKチャネルが睡眠覚醒制御に重要な役割を果たすことが示唆された。そこで、このSKチャネルのリン酸化制御に着目して詳細な解析を行った。昨年度に作製したSKチャネルのリン酸化ミミック変異体に対し、蛍光を利用した活性スクリーニングを実施した。その結果活性の低下した変異体に加え、活性の上昇した変異体の同定にも成功した。以上の結果からSKチャネルのリン酸化制御に重要と思われるアミノ酸残基が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は昨年度に作製したリン酸化ミミック変異体の活性スクリーニングに取り組んだ。昨年度に構築した蛍光を利用したスクリーニング系について、さらに検討を重ねることでより最適な系への改良に成功した。これにより、SKチャネルの活性制御に重要なリン酸化部位が明らかになった。

今後の研究の推進方策

今後は、培養細胞を用いて得られた知見が、実際に睡眠覚醒制御の中でどのように位置づけられるのかを個体レベルで検証する必要がある。現在、リン酸化制御のターゲットとして同定したアミノ酸に変異を導入した遺伝子改変マウスを作成中であり、これらの睡眠表現形を評価することで、SKチャネルの質的制御が睡眠覚醒サイクルにどのように寄与しているのかより詳細に検討する予定である。また、SKチャネルのリン酸化制御にかかわる酵素の同定を行い、SK2チャネルの活性制御に重要な細胞内パスウェイを明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Mammarian Reverse Genetics without Crossing Reveals Nr3a as a Short-Sleeper Gene2016

    • 著者名/発表者名
      Genshiro A. Sunagawa, Kenta Sumiyama, Maki Ukai-Tadenuma, Dimitri Perrin, Hiroshi Fujishima, Hideki Ukai, Osamu Nishimura, Shoi Shi, Rei-ichiro Ohno, Ryohei Narumi, Yoshihiro Shimizu, Daisuke Tone, Koji L. Ode, Shigehiro Kuraku, Hiroki R. Ueda
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 26 ページ: 662-667

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2015.12.052

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of Ca2+ -Dependent Hyperpolarization in Sleep Duration in Mammals2016

    • 著者名/発表者名
      Fumiya Tatsuki, Genshiro A. Sunagawa, Shoi Shi, Etsuo A. Susaki, Hiroko Yukinaga, Dimitri Perrin, Kenta Sumiyama, Maki Ukai-Tadenuma, Hiroshi Fujishima, Rei-ichiro Ohno, Daisuke Tone, Koji L. Ode, Katsuhiko Matsumoto, Hiroki R. Ueda
    • 雑誌名

      Neuron

      巻: 90 ページ: 70-85

    • DOI

      10.1016/j.neuron.2016.02.032

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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