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2014 年度 実績報告書

8回膜蛋白質TMEM16Eの生理作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14J06421
研究機関京都大学

研究代表者

形部 小百合  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワードTMEM16E / 筋ジストロフィー
研究実績の概要

TMEM16Eは8回膜貫通領域を持つ分子である。これまでに、TMEM16Eは骨や骨格筋で特異的に発現していること、顎骨骨幹異形成症(GDD)、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD2L)、非ジスフェルリン三好筋変性症(MMD3)といった骨や骨格筋の遺伝性疾患において、ヒトTMEM16E遺伝子の変異が報告されている。しかしながら、TMEM16Eの分子機能及び生理的役割は不明である。
TMEM16Eは10個のメンバー(TMEM16A~H, J, K)からなるTMEM16ファミリーに属している。TMEM16EとK以外の分子はカルシウム依存性クロライドチャネルまたはリン脂質スクランブラーゼである。TMEM16Eは細胞質内膜系に局在しているため、既存のアッセイ系では活性を測ることができない。そこで、TMEM16Eとの相同性が最も高く、細胞膜に局在するTMEM16Fとのキメラたんぱく質を設計し、細胞膜に局在させることを試みている。現時点では、細胞膜に局在するキメラたんぱく質は得られていない。
TMEM16Eの骨格筋における生理的機能を解析するために、TMEM16Eノックアウトマウスを作製した。TMEM16Eノックアウトマウスはメンデルの法則に従って生まれる。まず、このマウスの骨格筋の細胞膜修復効率を解析するために、マウスをトレッドミルで走らせた後、血清中のクレアチンキナーゼ活性を計測した。結果、野生型と同程度であったため、細胞膜修復には関与していないと結論付けた。そして、TMEM16Eの筋繊維の再生への関与を調べるために、前脛骨筋に蛇毒であるカルジオトキシンを注射し、筋再生を継時的に観察した。しかし、差は得られず、骨格筋再生にも関与していないと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現時点では分子機能、生理的役割の解明に至っていない。しかし、TMEM16Eのキメラたんぱく質やノックアウトマウスを作製し、機能解析への前段階を着実に進めたと考えている。

今後の研究の推進方策

細胞膜に局在するキメラたんぱく質が得られた場合、当研究室で樹立したリン脂質スクランブリングアッセイ系でリン脂質スクランブリング活性を、パッチクランプ法でクロライドイオンチャネル活性を計測する。また、予備実験として、TMEM16Eを持つプロテオリポソームを用いて上記のアッセイを行うことも検討している。
TMEM16Eが骨格筋組織以外で生理的役割を担っている可能性があるため、TMEM16Eの発現組織をリアルタイムPCRで網羅的に解析する。もしTMEM16Eを発現する組織が存在すれば、表現型を観察することを検討している。

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公開日: 2016-06-01  

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