研究課題
今年度は、colorization符号化アルゴリズムの高速化および高性能化に関して以下の研究を行った。1、colorizationアルゴリズムの高速化:高速なcolorization符号化の実現のために必要となる高速なcolorizationアルゴリズムについて、スパース性を仮定したcolorization関数を導入することにより従来のアルゴリズムと同等以上の精度で高速にcolorizationを行うことのできるアルゴリズムの提案を行った。2、色指定情報の抽出手法の高速化:圧縮を行う画像から多重解像度画像群を構成し、小さい画像群から色指定情報を抽出するというアイデアを提案した。これにより従来のcolorization圧縮手法において問題となっていた、画像のサイズに依存して圧縮および復号にかかる計算時間が長くなってしまうという問題点が緩和された。また、多重解像度画像群の構成方法について、colorizationを行った際の復元誤差がつねに最小化されるような方法を提案し、原画像からではなく、この縮小された画像群から色指定情報を抽出することの圧縮性能への悪影響を低減させることに成功した。3、画像復元手法の高速化:抽出された色指定情報は縮小画像群を復元させるものであるが、上記で述べた通り、縮小画像群が適切に復元されれば原画像も適切に復元される。しかし、縮小画像群から原画像を復元する際には従来手法では1回のみでよかったcolorizationを複数回行う必要があるため、原画像の復元にかかる計算時間が増大してしまうという問題があった。これに対し、復元した縮小画像群の色情報を再利用することにより、従来手法とほぼ同様の計算時間で復元できる手法を提案した。
2: おおむね順調に進展している
本研究では、スパース最適化およびcolorization符号化に基づく次世代画像圧縮手法の提案を行うことを目的としている。本年度は、従来研究で問題となっていた符号化・復号化の際にかかる計算時間が画像サイズとともに増大してしまうという点について、これを解決する方法について研究を進めた。その結果、高速に色情報を抽出する手法および、高速なcolorization手法を提案することができた。成果の一部については国際会議へすでに投稿しており、発表が決まっている。また、学術論文への投稿も行いこちらは現在査読中である。これらは当初の予定通りであり、研究は順調に進展している。
27年度は26年度に引き続き研究を行う。とくに、色指定情報の高効率な圧縮手法、動画への拡張について研究を進めていく予定である。また、国際会議での発表と学術論文誌への投稿を予定している。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)
電子情報通信学会論文誌 情報・システム
巻: Vol.J97-D, No.9 ページ: 1451-1455
IEICE Transaction on Information and Systems (D)
巻: Vol.E97-D, No.10 ページ: 2814-2817
Signal Processing
巻: Vol. 100 ページ: 124-131
10.1016/j.sigpro.2014.01.014