研究課題
1.プロバイオティクス乳酸菌のスクリーニング評価我々はこれまでに、デキストラン硫酸ナトリウム (DSS)誘導性腸炎モデルマウスにおいて、炎症状態の程度によって低酸素領域の範囲が変化することを明らかにした。さらに、その低酸素領域においては、conventional DC (cDC)と呼ばれるタイプの樹状細胞の割合が顕著であったことを明らかにした。生体内においては、投与したプロバイオティクス乳酸菌がこのcDCと何らかのクロストークをすることで応答すると考え、in vitro評価系における簡易的なプロバイオティクス乳酸菌のスクリーニング評価系の構築を検討した。2.ビフィズス菌の抗炎症作用プロバイオティクス乳酸菌の抗炎症活性における作用機序はこれまでにいくつか報告されているが、我々は菌体細胞壁の構成成分に着目した。Toll-Like Receptor 2はMEK-ERK経路とp38経路を介してIL-10産生に寄与することが確認されており (Saraiva M et al., 2010. Nat Rev Immunol.)、さらには、Bifidobacterium bifidumは細胞壁成分であるBifidobacterial outer protien A (BopA)を介してTLR2を活性化することも報告されている (Kainulainen V et al., 2010. Appl Environ Microbiol.)。そこで、ERK阻害剤とp38阻害剤を用いて、Bifidobacterium bifidum JCM1255Tの抗炎症作用を検討したところ、ERK阻害剤存在下で消失したことから、Bifidobacterium bifidum JCM1255TはTLR2-MEK-ERK経路を介して抗炎症作用に寄与することが示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Int J Food Sci Nutr.
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