研究課題/領域番号 |
14J06779
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平野 博大 広島大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 交感神経 / 血管力学特性 |
研究実績の概要 |
本研究ではHead-up tilt testを対象とした血管力学モデルに基づく新たなパーキンソン病診断支援のための自律神経活動評価システムの開発を目的としている.本年度はこれまでに当研究員が提案した血管力学モデルが自律神経特性を十分計測可能であるかを検討するために,ヒトに疼痛刺激を与えた時に不随意的に変化する血管力学特性とヒトが主観的に感じる痛みの関係について調査した.実験では,健常者4名に対して仰臥位で前腕部に電気刺激を施し,逆側の非侵襲連続血圧および指尖容積脈波を計測し,血圧計血管力学特性を評価した.なお,刺激強度は30秒ごとに変化させ,血管力学特性およびヒトが主観的に感じた痛みは各30秒中,最大の反応値を刺激に対する特性して評価した.その結果,刺激強度と血管力学特性,刺激強度とヒトが主観的に感じる痛み,血管力学特性とヒトが主観的に感じる痛みのそれぞれに相関関係が認められ,それぞれの関係性は近似関数を用いて表現できることが明らかとなった.また,パーキンソン病患者の起立試験中の自律神経活動計測を行うために,医学分野の共同研究者(独立行政法人国立病院機構刀根山病院 佐古田三郎院長)と交流・討論を行ない,Head-up tilt test中のパーキンソン病患者の生体信号を計測するため,心電図,指尖容積脈波,血圧計,角度センサを基盤としたデバイスおよび補助治具を試作した.今後,パーキンソン病患者で計測実験を行うための準備を引き続き行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにパーキンソン病診断のための血管力学特性評価法については,当初予定していた以上に研究を進展させることに成功したが,パーキンソン病患者診断支援への適応およびシステムの構築をするまでに至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
Head-up tilt testによるパーキンソン病診断支援システム構築のため,今後治験などを行い,パーキンソン病を患ったヒトに対して提案システムが有用であることを示す必要がある.そのため,引き続き血管力学特性とパーキンソン病患者の関係性を表現するモデルを提案するための実験,解析的検討を行う必要がある.
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