研究課題
今年度は,イメージスライサー型近赤外面分光ユニットの開発項目のうちその心臓部であるスライスミラーアレイの加工パラメータの最適化と超精密切削加工による製作実証実験をおこなった.ニッケルリンめっきを載せたSi高含有アルミニウム合金に対して,超精密切削加工をおこなった結果,要求される表面精度 (表面粗さ 10 nm 以下,形状誤差 0.1 μm以下)で上記ミラーアレイが製作可能であることを実証した.ニッケルリンめっきを用いた赤外用スライスミラー加工は本研究が初となる.製作したスライスミラーアレイは幅500μmの反射面を25枚もっており,本番用で用いられるミラーとほぼ同じ仕様である.本実験では加工パラメータを最適化することにより,種々の形状誤差を取り除き,要求仕様を満たす鏡面精度を得ることに成功した.ニッケルリンめっきは研磨可能であることから,将来的には微小領域の研磨加工技術を応用することで,通常の金属切削加工では到達困難な鏡面精度(粗さ~ 1nm)への可能性も開けた.更に将来の近赤外面分光観測に向けたケーススタディとして,すばる望遠鏡の赤外カメラIRCSと補償光学装置(AO188)を用いた近傍 dusty LIRGの高空間分解撮像観測をおこなった.銀河内部の各領域をおよそ0.4kpcで分解した結果,銀河の各領域において sSFR ~ 0.5-2 yr-1 という高い星形成活動を示すことが明らかになった.これは z ~ 0 の メインシークエンス銀河と比較すると,1-2桁近く高いsSFRをもっていることになり,銀河内部の各領域においてスターバースト的な星形成をおこなっていることが示唆された.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
(世話人として研究会を主催)
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers (SPIE) Conference Series
巻: 9912 ページ: 991225-1-9
10.1117/12.2231931
一般社団法人 日本物理学会
巻: 71 ページ: 240-241
http://doi.org/10.11316/butsuri.71.4_240
https://sites.google.com/site/ifu2016meeting/home