• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

マルチフェロイック物質における光のローレンツ力の観測とその外場制御

研究課題

研究課題/領域番号 14J06840
研究機関東京大学

研究代表者

豊田 新悟  東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードマルチフェロイクス / 方向二色性 / 方向複屈折 / 光のローレンツ力
研究実績の概要

平成28年度は、マルチフェロイック物質CuB2O4における光のローレンツ力の測定を行い、光のローレンツ力に起因した光軸の微小変位を検出した。現在この実験結果を投稿論文にまとめている。また、平成27年度に行った「CuB2O4における発光の方向二色性」の研究成果はPhysical Review BのRapid Communicationsに掲載され、特に重要な論文としてEditor’s Suggestion に選ばれた。さらに、博士論文は東京大学大学院新領域創成科学研究科長賞を受賞した。
空間反転対称性と時間反転対称性が同時に破れたマルチフェロイック物質においては、スピン軌道相互作用を通じて電気応答と磁気応答が干渉しあい、新しい光学現象が生じることがわかってきた。その代表的な例が、屈折率が方向依存する方向複屈折である。最終年度に当たる平成28年度では、方向複屈折に由来する非相反な屈折現象について研究を行った。フェルマーの原理に基づくならば、光はあらゆる経路のうち、その所要時間が最小になる経路をたどる。したがってマルチフェロイック物質中では、光の通る経路も進行方向の反転によって変わるはずである。とくにCuB2O4においては、単一ドメインの状態で、試料と真空中の界面において行きと帰りで異なる方向に屈折することが予想される(光のローレンツ力)。本研究では、これを実験的に観測することを目的とした。実験的に光の進行方向を反転してずれを計測するのは困難であるため、それと等価である磁場反転による光軸の変位を計測した。実験の結果、約500nmの光軸の変位を計測した。さらに、温度依存性を調べ、観測された光軸の変位が傾角反強磁性相でのみ生じることを確認した。以上の結果は、光のローレンツ力の観測に成功したことを意味しており、現在結果を投稿論文にまとめているところである。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Gigantic directional asymmetry of luminescence in multiferroic CuB2O42016

    • 著者名/発表者名
      S. Toyoda, N. Abe, and T. Arima
    • 雑誌名

      Physical Review B (Rapid Communications)

      巻: 93 ページ: 201109

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.93.201109

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi