研究課題/領域番号 |
14J07067
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河井 公太朗 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | G2多様体 / coassociative部分多様体 / associative部分多様体 |
研究実績の概要 |
1. squashed S7のassociative部分多様体の研究 R8の原点を通る4次元平面との交叉で得られるassociative部分多様体の分類を行った。squashed S7の自己同型群による作用を除いて、2種類に限られることを示した。通常のS7の場合はただ1つに限ることが知られており、それとは対照的な結果を得た。 また以前行った等質なassociative部分多様体の分類に基づき、表現論を用いて無限小変形の空間の次元を計算した。更にすべての場合に、無限小変形は可積分であり、実際の変形を自己同型群、およびnearly Kähler CP3内の概正則曲線を用いて具体的に記述することができた。通常のS7の場合には、可積分かどうか判定できないものがあったが、squashed S7の場合にはすべて可積分性が示せた。 2. S4の反自己双対束のcoassociative部分多様体の具体的構成 コンパクトLie群の分類をもとに、S4の反自己双対束内で3次元、および4次元の軌道をもつものを分類した。それにより、等質coassociative部分多様体は、自己同型群の作用を除いて零切断のみに限ることを示した。更に上記分類に従って、余等質性1のcoassociative部分多様体を記述する常微分方程式を導出した。多くの場合、解を具体的に求めることができ、coassociative部分多様体の族を構成できた。加えて、それらの位相を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的な解析的手法を会得したが、それを研究に実際に応用するまでには至らなかった。 一方で、Lie群の理論を用いて、具体的な部分多様体を多く構成することができた。加えて、局所的な変形空間の次元も計算し、それらが可積分であることが示せた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、解析的な側面に注力して研究を行う。漸近的に錐な場合など、非コンパクトな場合の先行研究もよく理解する。そしてG2構造を摂動させたときの、漸近的に錐なassociative部分多様体のモジュライ空間の性質を調べる。更にその後、associative、ケーリー部分多様体の類似性から、コンパクト、および漸近的に錐なケーリー部分多様体に対しても同様のことを考える。
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