研究課題/領域番号 |
14J07098
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戚 偉康 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | バイオガス / 嫌気性発酵 / 食品廃棄物 / 無動力撹拌 / 再生エネルギー |
研究実績の概要 |
従来の低コスト型発酵槽に備えられていなかった撹拌機能を有する新規低コスト型メタン発酵リアクターの開発に取り組む。本研究により設計される数学モデルにより下水汚泥等の有機性廃棄物の嫌気性発酵過程の最適化を図ることが可能となり、嫌気性発酵からより多くのバイオガスの生産が可能となる。また本研究は下水処理プロセスの最適化において応用、高品質で安全安心な水資源の供給および環境への負荷の低減といった課題にも貢献可能となる。 撹拌が高濃度有機性廃棄物の発酵処理プロセスには不可欠なプロセスでした。そこで本研究では、新規無動力撹拌嫌気性発酵処理システムについて、反応器構造の最適化、無動力撹拌システムの原理を最大限に活用することにより低コストで高効率なシステムを開発することを目的とした。 グローバルなエネルギー不足及び環境汚染の深刻化に伴い、高濃度有機性廃棄物の嫌気性消化処理は社会が廃棄物を処理する負担を軽減し環境を保護することができるほかに、作り出されるバイオマスエネルギーは化石資源エネルギーの需要を軽減することができる。さらに本システムは構造が簡単で運転を維持するための電気エネルギーを必要としないため、経済的に貧しい途上国や後進地域に適用できるため、重きな意義を持つ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
撹拌が高濃度有機性廃棄物の発酵処理プロセスには不可欠なプロセスでした。そこで本研究では、新規無動力撹拌嫌気性発酵処理システムについて、反応器構造の最適化、無動力撹拌システムの原理を最大限に活用することにより低コストで高効率なシステムを開発することを目的とした。またこの反応器内の微生物による有機物分解の特性を把握してしまった。さらに嫌気性発酵モデルを確立し、最適化した有機物分解プロセスをシミュレーションすることにより有機物をエネルギーに最大限に転化させ、バイオガス生成効率の向上を目指した。
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今後の研究の推進方策 |
またこの反応器内の微生物による有機物分解の特性を把握し、微生物群集構造を解析する。さらに嫌気性発酵モデルを確立し、反応器内の物質転換を数式化し、最適化した有機物分解プロセスをシミュレーションすることにより有機物をエネルギーに最大限に転化させ、バイオガス生成効率の向上を目指す。 (1)高濃度有機性廃棄物の嫌気性消化実験 異なる基質を用い無動力撹拌嫌気性消化反応器の高濃度有機性廃棄物の処理能力とバイオマスエネルギーの生産能力を検討する。各運転条件における処理効果への影響を評価する。また活性試験を行い、バイオマスエネルギーの転換効率を検証する。微生物試験で反応器内の微生物群集構造を明らかにし、各微生物の有機物の分解特性について整理する。 (2)嫌気性消化モデルの確立と実際の処理プロセスのシミュレーションおよび予測 ここまでに得られた研究成果に基づき、有機物嫌気性消化プロセスの数式化・モデル化を行い、有機物除去効率およびバイオマスエネルギー生成量の最大化のための運転条件を検討する。運転条件における有機物処理とエネルギー転換への影響をシュミレーションする。反応器理論制御無動力撹拌プロセスを組み合わせ、有機物除去とエネルギー生成効率の関係を最適化する。そして処理場の設計、運転管理のための指針の確立を行う。
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