本研究では,仮想環境上の手術支援ロボットを操作している人の脳活動を計測し,直感的な操作性を評価する手法を構築した.これまでの手術支援ロボットは作業達成時間や作業精度の向上が求められていたが,必ずしも直感的な操作性が向上したとは言えないという課題があった.そこで,本研究では操作者の脳活動を解析し,認知的な側面から手術支援ロボットをどう操作者が知覚しているのかを明らかにし,直感的な手術支援ロボットを開発する手法を提案した.特に,手術支援ロボットはマスタ・スレーブ方式で操作されることが多く,マスタ・スレーブは共にマニピュレータの構造が異なることが多いため,異構造のロボットをいかに直感的に操作できるように設計すればよいのかを明らかにした.多様な設計条件における手術支援ロボットの操作を比較するため,仮想環境上で構築した手術環境におけるロボットの操作を比較した.当提案手法は,手術支援ロボットに限らず,廃炉や宇宙,深海等の操作を要する全てのロボットに適用できる可能性がある. また,「道具の身体化」という道具が自身の身体の一部として知覚できる度合いにも密接に関係しているため,マニピュレータを自身の身体の一部として知覚している可能性がある.そのため,ウェアラブル機器やサポートスーツ等のロボットの操作性を評価する際にも適用可能である.これらの提案手法を活用し,直感的に操作するためのカメラとアームの配置位置等を決定した.
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