研究課題/領域番号 |
14J07809
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新保 奈穂美 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | 都市農業 / 市民農園 / コミュニティガーデン / 都市計画 / 緑地計画 / 文献調査 / フィールド調査 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,研究計画書の年次計画に従い,以下の研究活動を行った. ステップ【1】:「都市の農」の運営スキームの解明 オーストリア・ウィーン市におけるコミュニティガーデンの支援を行っている第三セクター「Gebietsbetreuung」の職員に対して,運営スキームについての半構造化インタビューを行った結果をまとめ,国際会議にて発表した.東京都・日野市におけるコミュニティガーデンの事例を対象に,運営スキームについての半構造化インタビューを行った結果,および,実際にコミュニティガーデンの参加者が毎回どのような活動を行っているかについて各季節に質問紙調査を行った結果をまとめ,ポスター発表,口頭発表,査読付き論文として進捗状況の段階に応じて成果を発表した.また,明らかにした運営スキームが理想的であることを証明するため,各参加者のモチベーションについて調査を行った結果を口頭発表予定である.日本における「都市の農」がどのような経緯をたどり,現在のような運営スキームを持つように至るようになったかを明らかにするため,1900年代から2010年代までの文献を網羅的に調査した結果をまとめ,査読付き論文にまとめ発表した. ステップ【2】:運営スキームが展開されている地域・土地の解明 ステップ【1】と併せて土地の所有と地目は明らかにし,その情報も各発表の内容に含めた.設備充実度については現在調査中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目に達成予定であった「ステップ【1】:「都市の農」の運営スキームの解明」に関しては、ウィーンの事例調査に関しては順調に調査が進んだ。当初計画にあったイギリスの事例調査については現地とのコンタクトがうまくいかなかったため、次年度の課題に残される。 同じく1年目に達成予定であった「ステップ【2】:運営スキームが展開されている地域・土地の解明」も現在進行中であり、特に設備充実度について、中心的に調査を行う必要がある。これも次年度の課題に繰り越す。 2年目に予定していた「ステップ【3】:運営スキームの評価・運営論の提示」での博士論文執筆は、1年目に終えることができた。ただし進行中の調査結果をもとに論じたない様となっているため、さらなる議論を行っていく。 以上の成果をもとに、2本の査読付き論文として都市計画分野および緑地計画分野において著名な国内誌に投稿し、既に掲載された。さらに、投稿論文にまとめる過程で、国内で2度、国外で1度の学会発表を行った。これらは期待していた以上の業績である。
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今後の研究の推進方策 |
年次計画の順序どおりには進んでいないが、達成している内容を踏まえれば進捗状況として問題はみられない。よって、進行中の調査を次年度も継続していく。 ただし、イギリスに関しては現地とのコンタクトが次年度もうまくいかない可能性があるため、代替地として欧州内で同様の事例を選定する可能性が生じている。特にドイツは既に現地での研究協力体制が構築されており、また、ポーランド、イタリア、エストニアでの学会にて情報収集ができる見込みであるため、これらの国の事例を候補とする。 達成できた内容については、次年度も随時国内外の学会で発表するとともに、査読付き論文にまとめ、投稿する。
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