研究課題
本年度は最終年度でもあり、これまで研究してきた内容について、2つの論文を投稿した。1つはヒト唾液細菌叢の概日リズムの発見であり(DNA Res. 印刷中)、もう一つは腸内細菌叢が食事や病態の影響を受けない個人間で共通したきわめて普遍的な構造(累積相対量分布; CRAD)を持つことを発見し、さらにその形成メカニズムの数理モデルを考案した内容についてである(PLoS Comp. Biol, revised中)。昨年までに、唾液の細菌叢に概日リズムがあり、食事が与える影響が小さいことを発見していたが、新たに、食後30分前後に食事の内容や、個人によらず、Lautropia mirabilisの相対存在比が増加することを発見した。また、Lautropia以外にも、食事中や、食事直後に食事の内容等に応じて増加する細菌群を同定した。これらの内容を、11月にアメリカ・ヒューストンで行われたHuman Microbiome Congressでポスターにまとめ、発表を行い、その原因について情報交換を行った。現在、原因の探求についての追加実験の解析を行っており、今後論文として投稿する予定である。また、マウスの腸内細菌叢に対して抗生剤を単発投与する実験を行い、菌叢構造の入れ替わりは抗生剤濃度に応じて起こるものの、適量投与でも過剰量投与でも2週間程度で、水飲み投与のコントロール群と同等の水準まで回復し、その回復の速度にはある程度個体差があることを新たに発見した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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DNA Res.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1093/dnares/dsx001