研究課題/領域番号 |
14J07863
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坪井 彩子 千葉大学, 大学院融合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | エレクトロクロミズム / 銀 / 表示デバイス / 電子ペーパー / 局在表面プラズモン共鳴 |
研究実績の概要 |
物質の色や光学特性はその電子状態を反映するため、酸化還元反応によって電子の授受を制御することにより、物質の色や光学特性の可逆制御が可能となる。この現象はエレクトロクロミズム(EC)と呼ばれ、低駆動電圧、メモリー性などの優れた特性から、電子ペーパーや調光窓等の環境調和型素子としてその応用展開が急速に進展し、注目を集めている。 本研究では、フルカラー表示可能なECデバイスの創製を目指し、電極上に還元析出することで色変化を示す銀の電気化学応答をEC反応として利用した。これにより、無彩色から三原色を含む有彩色まで、複数の光学状態を可逆的に発現できる多色ECデバイスの構築を行なった。ナノスケールの銀はその構造によって光学特性が大きく変化するため、析出形状の電気化学的な制御により任意の色を発現させることができる。本年度は、印加電圧および電極の表面形状が銀の析出形状へ与える影響を明らかにし、ECデバイスの反射率制御および鏡、黒状態の発現を可能とした。さらに、これらの知見をふまえ、印加電圧を2段階にステップさせる手法を考案し、均一任意な析出形状の制御を可能とした。これにより銀ナノ析出物の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)帯制御に基づくシアン、マゼンタ、イエローの三原色表示を実現し、析出銀の形状制御のみで単純な構造の単一素子内において多彩な表示色の切り替えが可能であることを明らかにした。これらをまとめ、LSPR帯の可逆制御に基づく銀析出型ECデバイスが、フルカラー表示デバイスの有力な候補になり得ることを見出した。
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現在までの達成度 (段落) |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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