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2014 年度 実績報告書

非アルキメデス体上の可積分系のセルオートマトン解析への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14J08989
研究機関東京大学

研究代表者

神谷 亮  東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード可積分系 / セルオートマトン / p進付値
研究実績の概要

本研究では、可積分系と呼ばれる、非線形ではあるが、多くの特殊解を具体的に記述できる・保存量が多く存在する等の良い性質をもつ方程式群について、そのp進体上の解の還元の性質やp進付値の変化(2つをまとめてp進的挙動と呼ぶ)をみることで、セルオートマトン等の超離散的な挙動をもつ系の中でp進的な意味を持った良い性質をもつ系を構成し、それらの系の性質を調べることを目的としている。
本年度の研究では、可積分方程式のp進体上の解について、それが差分方程式の解になっているなどの良い性質を持つためには、可微分性だけでなく解析性等の付加的な性質を要求することが妥当であることを、以前より強い形で示した。すなわち、「KP階層のp進関数解について、τ関数が広田・三輪方程式を満たすpseudo-constant係数の多項式である場合、それは定数係数の多項式でなければならない」という予想を、τ関数が非自明なある場合について示した。
また、当初の計画通り、解析性を課したWeierstrassの楕円関数についてのp進的挙動を調べ、代表的な可積分方程式であるKdV方程式の楕円関数解を用いた特殊解のp進的挙動を明らかにすることを試みた。
Weierstrassの楕円関数については、TateによるSchottky型一意化の理論により、p進的挙動は(適当なパラメータの制約のもとで)p進体の乗法群により統制されることが知られている。しかし、これは元々の楕円関数のFourier展開のp進的挙動をみていることであり、微分とp進的挙動の関連が見えづらく、可積分方程式の楕円関数解のp進的挙動を調べる上ではそのままでは役に立たないことが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Weierstrassの楕円関数のp進的挙動について一定の知見を得ることができたものの、当初知ることを目的としていた可積分方程式の楕円関数解のp進的挙動については十分な知見を得ることができていないため。

今後の研究の推進方策

今後、可積分方程式の解を構成する関数のフーリエ展開のp進的挙動から解自体のp進的挙動を調べる必要が増えてくると予想される。そのため、まず実や複素領域での一般の関数の満たす方程式とそのフーリエ展開の満たす方程式の間の関係についで、知見を深める必要がある。その後、KdV方程式等の可積分方程式に対し、当初予定していた解のp進的挙動の研究を行う。

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公開日: 2016-06-01  

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