研究課題「領域分割と多視点マッチングを融合した3次元形状推定の研究」について、領域分割と対応点(マッチング)推定の融合領域において以下の業績をあげた。 ステレオマッチングと画像領域分割を一般化し、同じ種類であるが見た目が異なるような物体の画像が2枚与えられたときに、共通物体領域の推定と、共通物体領域内での画像間の密対応点の推定を同時に行う手法を提案した。これは本研究課題である、領域分割と多視点マッチングの融合のための重要なステップであり、この成果はIEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR 2016)に採択され、2016年6月にアメリカ・ラスベガスで発表された。採択率は643/2145 = 30.0%であった。 さらに、ステレオマッチングと領域分割とモーション推定を融合し、ステレオ2視点動画が与えられた際に、シーンの奥行き、モーション、動いている物体領域の3つを高速に推定するステレオ・シーン・フロー手法を開発した。提案した手法は、ステレオ・シーン・フローの標準的ベンチマーク(KITTI Stereo Scene Flow)において、総合で3位の精度を達成しながら、他の最新の手法とくらべて10~1000倍高速な実行時間を達成した。この成果は、CVPR 2017に採択され、2017年7月にアメリカ・ハワイで発表予定である。採択率は、30%以下の見込みである。 以上の2つの成果により、本研究で提案されていた、「領域分割と多視点マッチングを融合した3次元形状推定の研究」という課題は、当初の計画よりも、より汎用的あるいは実用的な形で達成された。
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