当該年度は,昨年度同様,検出技術に関する2つの研究課題に取り組んでいた.そのままではTF検出技術を適用することができなかった「ダイナミック・ロジックへの適用方式の検討」,そして,汎用のプロセッサに我々の提案方式を適用するための,「適用自動化ツールの作成」である.
当該年度は,昨年度遅れを取っていた,「適用自動化ツールの作成」を主として取り組んでいた.実装時に問題となっていた,計算時間の最適化に関しては概ね解決し,比較的大きな回路に適用しても現実的な時間で適用が終了するまでに至った.しかし,想定以上にアルゴリズムの策定や実装に時間を要してしまい,当初予定していた,CADツールのベンチマークといった,汎用のプロセッサに対して,提案方式の適用を行うことによる,面積評価や速度評価までには至らなかった.しかし,適用ツール自体の完成は概ね見えている段階であり,適用時に起こりうる様々な問題を解決しながら,今後とも注力していく所存である.
「ダイナミック・ロジックへの適用方式の検討」に関しては,昨年度得られた成果を基に,誤検出や検出漏れの生じない回路の動作環境の設定,ステージ間の累積遅延の程度を考慮したタイミング制約の策定などに関して,理論的な部分での考察を行い,それに基づく予備評価を行った.しかし,得られた結果は想定されたものと異なっており,発表文献を記述するまでには至らなかった.詳細に検討し,解決を急ぐ予定である.
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