研究実績の概要 |
SiGe MOS型光変調器を実現するにあたって、そのMOS界面への理解は不可欠である。我々はSiGe MOS界面を改善するため、プラズマ後窒化法を提案し、関連の研究を随行した。今年は特にSiGeの面方位の違いに関して研究を行った。SiGeの正孔移動度は(110)面で(100)面より高くなることが報告されており[1]、FinFETなどで応用されているが、その界面に関してはまだ十分研究されていなかった。我々は、今までSiGeのMOS界面特性の改善を報告してきたプラズマ後窒化法を用いてSiGe面方位による特性の違いを研究して発表した(国内学会1件、国際学会1件)。(100)面で報告した通り、(110)面でもプラズマ後窒化による界面特性の改善が観測された。しかし、(100)面より(110)面の界面準位密度が高く観測され、その理由について考察する必要がある。一般的にSiでは、表面に余っているSiの結合手(ダングリングボンド)の数が(110)面の方が大きいという事実から説明されるが、SiGeに関してはまだその理由がはっきりしていないのが現状である。今後、この理由をはっきりしていくのも課題として残っている。今後は、これらの結果をさらに発展させ、またこの結果を用いてデバイスの実現に向けて研究を進める。 [1] P. Hashemi, et al., symp. VLSI Tech. Dig., p. 16, 2014.
|