研究課題/領域番号 |
14J09384
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
蔦原 亮 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | 総称性 / 時制 / 名詞化 / -dor / -nte / スペイン語 |
研究実績の概要 |
今年度は主に、分析対象とする動詞が-dorおよび-nteという名詞・形容詞化接辞により派生語とされたときに、動詞として用いられていた際に有していた総称性に関する価値をどの程度まで維持し、接辞からどういった影響を受けるのかという観点から分析を進めてきた。 結果としては、概ね予定通りに研究を進められたと考えている。紙面の都合上詳述はできないが、両接辞によって動詞が形容詞化された時には語根となる動詞の有していた総称的価値が限定的な形でのみ継承され、名詞化されるときについては、両接辞は機能上、類似したものであるが、異なる形での総称性の継承を促すことが分かった。-dorは基本線では総称性を引き継ぐ接辞、-nteは状態性の動詞からは事象性を引き継ぐ接辞として説明することで、スペイン語における総称性の性質や、両接辞、およびそれらによる派生語の様々な性質が関連させて説明することが可能となった。 得られた研究結果については、国内外問わず、積極的に発表し、いただいたコメントから、研究を深めることができたように思う。とりわけ、2014年6月にドイツ・デュッセルドルフで開催された語形成における意味論に関するワークショップでは当該分野の第一線にいる研究者から直接、様々な助言をいただいた。これは研究を進めるうえで役立っただけでなく、大きな刺激となった。こうした助言を研究に反映させ、今年度は二本の査読論文を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
年度初頭に設定した問題については一定の説明を与えられたと評価している。 問題を設定した時には得られることを予想していなかった知見としては、Tsutahara (2015)で報告した-nte形容詞の持つ新用法である。当該の論文では、新語的な-nte形容詞の用法を観察する中で収集された、これまでに説明されてこなかった、同形容詞の新たな用法を紹介し、そうした用法で用いられる際の総称性を分析した。この点が、本研究における計画以上の進展となる部分である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究では、動詞が様々な法・時制形に屈折された動詞の持つ総称性、ならびに、派生接辞により派生語となった際に持つ総称性を分析の対象とし、総称性の持つ様々な側面を記述してきた。 研究の最終年度となる本年度は、これまでに得られた知見から、スペイン語文法という広い枠組みの中に、総称性はどのように位置づけられるのかという点と、記述を基に様々な文法に関わる現象の説明を図る。
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