研究課題/領域番号 |
14J09413
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
坂井 祐介 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 暗号理論 / ゼロ知識証明 / 公開鍵暗号 / 匿名認証 |
研究実績の概要 |
本研究で目指す暗号技術は,通常の暗号技術で達成される高い安全性に加えて,利用者が独自の要求に応じて自在にカスタマイズした暗号方式を設計できるような技術である. 本年度は,そのための重要な要素技術となるゼロ知識証明について,否定の条件式を取り扱えるゼロ知識証明方式について研究を行った.具体的には,公開鍵暗号において,ある暗号文が特定の平文を暗号化していないことを第三者に証明できる暗号方式の設計を行った.同内容は,国際会議AsiaCCS 2015へ採録となっている.通常の公開鍵暗号では,ある暗号文が特定の平文を暗号化していないことを確認するためには,実際に復号してみるほかなく,復号鍵を持たない第三者にはその事実を確認することは不可能であった.本成果を用いることで,復号鍵を持たずとも,その事実のみを第三者に検証可能な形で開示することができるようになる. また,上で述べた成果に関連して,グループ署名という暗号技術に対して上記と同様に否定の証明の適用を検討し,否認可能グループ署名という暗号方式の設計を行った.グループ署名とは,署名者が匿名で署名を発行でき,管理者のみがその匿名性を剥奪して署名者を特定できる署名方式の一種である.このグループ署名においても,ある署名が特定の署名者によって生成されていないことを確認するには,署名生成者を特定してみる他なく,状況によってはプライバシの侵害となり得る場合がある.そうした問題を解消するため,本研究では,ある署名が特定の署名者によって生成されていないことを証明可能なグループ署名方式を設計した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、本研究課題の重要な要素技術となる、否定に関するゼロ知識証明とその応用について一定の成果を得られており、実際に得られた成果の一部は査読付き国際会議に採録ともなっていることから、順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、これまでに得られている否定に関するゼロ知識証明の技術を組み込んだ、ゼロ知識証明の自動設計技術の実現に取り組む計画である。
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