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2014 年度 実績報告書

新たなウイルス認識機構を介した植物免疫システムの解明によるウイルス病防除基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 14J09416
研究機関東京大学

研究代表者

二條 貴通  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワード植物ウイルス / 抵抗性
研究実績の概要

植物ウイルス病は効果的な防除法が存在せず、その防除は植物が備える植物免疫システムの利用に大きく頼っている。ウイルスに対する植物免疫としては、ウイルスの二本鎖RNAを認識するRNAサイレンシングが知られており、多くのウイルスはこれに対抗してサプレッサーを持つ。サプレッサーを植物で一過的に発現させると抵抗性が誘導される例が報告されているが、サプレッサーを認識する抵抗性タンパク質は発見されていない。Potexvirus属ウイルスはRNAサイレンシングを抑制するサプレッサーTGBp1を有するにも関わらず、シロイヌナズナに感染できないことから、シロイヌナズナはTGBp1を認識して誘導される抵抗性を持つと推測された。本研究はPotexvirus属ウイルスとシロイヌナズナを用いて、Potexvirus属ウイルスのサプレッサーTGBp1に対して植物が持つと考えられるサプレッサー認識型抵抗性遺伝子の探索とその抵抗性機構の解明を目的としている。
今年度はTGBp1を形質転換したシロイヌナズナ変異体を作製し、TGBp1と結合してTGBp1を直接認識する抵抗性タンパク質候補、およびTGBp1を間接的に認識する抵抗性タンパク質候補の回収を行った。本研究により得られた抵抗性タンパク質候補について、今後その遺伝子を同定し機能解析を進めることで、TGBp1を認識する抵抗性遺伝子を探索できる。
また、本研究を進める中でTGBp1はオリゴマーを形成することが明らかとなった。TGBp1のオリゴマー化はTGBp1のサイレンシング抑制能や、植物がTGBp1を認識して抵抗性を誘導する上で重要な役割を果たすと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TGBp1形質転換シロイヌナズナを作出し、免疫沈降法により抵抗性タンパク質候補を回収することができた。これは当初の研究実施計画の通りであり、研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今年度の研究により得られた抵抗性タンパク質について、そのアミノ酸配列を解析し、シロイヌナズナのゲノムデータベースを用いることで遺伝子の同定を行う予定である。さらに、同定された各抵抗性遺伝子候補についてその機能解析を進めることで、抵抗性遺伝子の同定を行う予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Onion yellow phytoplasma P38 protein plays a role in adhesion to the hosts2014

    • 著者名/発表者名
      Neriya, Y., Maejima, K., Nijo, T., Tomomitsu, T., Yusa, A., Himeno, M., Netsu, O., Hamamoto, H., Oshima, K., Namba, S.
    • 雑誌名

      FEMS Microbiology Letters

      巻: 361 ページ: 114-122

    • DOI

      10.1111/1574-6968.12620

    • 査読あり
  • [学会発表] plantago asiatica mosaic virusのTGBp1は植物内在性の小分子RNA「tasiRNA」の生成経路を抑制する2015

    • 著者名/発表者名
      二條貴通・岡野夕香里・煉谷裕太朗・橋本将典・遊佐礼・桂馬拓也・大島研郎・小松健・山次康幸・難波成任
    • 学会等名
      平成27年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      明治大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-31
  • [学会発表] plantago asiatica mosaic virusのTGBp1はtasiRNA生成経路の2本鎖RNA合成を阻害する2015

    • 著者名/発表者名
      桂馬拓也・岡野夕香里・千秋博子・根津修・遊佐礼・二條貴通・小松健・山次康幸・難波成任
    • 学会等名
      平成27年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      明治大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-31
  • [学会発表] plantago asiatica mosaic virusのTGBp1はRDR6およびSGS3と結合してウイルス蓄積量を増加させる2015

    • 著者名/発表者名
      遊佐礼・岡野夕香里・薦田(萩原)優香・桂馬拓也・二條貴通・小松健・山次康幸・難波成任
    • 学会等名
      平成27年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      明治大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-31
  • [学会発表] plantago asiatica mosaic virusのTGBp1はホモオリゴマーを形成しSGS3/RDR6 bodyを凝集させる2015

    • 著者名/発表者名
      岡野夕香里・遊佐礼・薦田(萩原)優香・桂馬拓也・二條貴通・小松健・山次康幸・難波成任
    • 学会等名
      平成27年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      明治大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-31
  • [学会発表] ファイトプラズマの膜タンパク質P38のMAM領域は昆虫宿主への接着に重要である2015

    • 著者名/発表者名
      煉谷裕太朗・友光達哉・遊佐礼・二條貴通・鯉沼宏章・姫野未紗子・前島健作・大島研郎・難波成任
    • 学会等名
      平成27年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      明治大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-31
  • [学会発表] Diagnosis of viral and bacterial diseases of orchid and biological studies on their causal pathogens in Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Nijo, T., Yusa, A., Tomomitsu, T., Iwabuchi, N., and Namba, S.
    • 学会等名
      The 5th International Conference of Clinical Plant Science
    • 発表場所
      Pingtung (Taiwan)
    • 年月日
      2014-12-06 – 2014-12-06
    • 国際学会

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公開日: 2016-12-27  

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