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近年、周辺視野を活用した目視検査方法（周辺視目視検査法）が提案され、生産現場で検査精度と検査効率の両面から有効であることが報告されている。しかし、この検査方法は、熟練検査者の感覚的・経験的な暗黙知の部分が多く、非熟練検査者に適用する際、どのような手続きや訓練が必要かは明らかになっていない。
本年度は本研究の最終年度であり、昨年度までに行なった研究室における目視検査をモデル化した実験と実際の目視検査現場における実態調査を踏まえて、（1）人間の視覚メカニズムに基づいた検査方法の設計方法を考案し、（2）新人検査者に習得させるための訓練システムを開発した。
（1）に関しては、欠点の特徴や位置を変動要因とする被験者実験を実施するとともに、その結果を基に実際の目視検査工程における検査すべき製品や検出すべき欠点の視認性に合わせて検査方法を設計するための方法を考案した。なお、この研究成果は学術論文として人間工学会の論文誌に投稿し、掲載された。
（2）に関しては、（1）で設計した検査方法を習得させるための訓練システムを開発した。具体的には、周辺視と瞬間視、衝動性眼球運動の3つの要素とそれらの組み合わせで、計6つの要素を段階的に習得させるための訓練ツールをコンピュータシステムとして開発した。さらに、開発した訓練システムの有効性を検証するため、被験者を訓練しないグループと訓練するグループに分割し、コントロール実験を実施した。その結果、訓練システムには欠点検出率を向上させる効果があることが確認できた。なお、この研究成果は学術論文として経営工学会の論文誌に投稿し、掲載された。
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