研究課題/領域番号 |
14J09902
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 裕美 東京大学, 情報学環・学際情報学府, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 電気味覚 / 健康 / 感覚提示 / インタフェース |
研究実績の概要 |
・研究内容に関する論文のサーベイを論文誌に投稿 本研究課題に必要な技術の一つである電気味覚に関するサーベイ論文を執筆し、日本ソフトウェア科学会学会誌に投稿した.電気味覚は生理学分野では多くの研究が行われていたものの,工学・HCI分野ではまだ萌芽的な分野である.また,工学応用に関しては生理学分野の全知見が必要とは限らず,工学応用のために必要な知識をまとめて閲覧できる必要性があると考えた.そのため,生理学分野の先行研究を,工学応用に生かすという観点で総括したサーベイ論文を投稿した. ・研究内容のアウトリーチとデータ収集 電気味覚提示装置について,これまでの成果を活かした改善を行うと共に,社会へのアウトリーチ活動として体験の場を設けた.具体的には,料理研究家・医師との連携で,高血圧患者へのヒアリングを行ったうえで,無塩に近い,かつ電気味覚の味質と親和性のある料理の提案および装置の洗練化を図った.また,体験会ではユーザへのヒアリングと,紙面上での調査を実施し,一般普及時に検討すべきポイントの洗い出しを行った. ・身体制御技術に関する基礎調査を実施 また,本研究課題における支援手法を感覚や食体験だけでなく身体運動にも対応させる一手法として,舌の運動制御手法とそこで問題とされる点について調査をおこなった.また,舌の運動制御を助ける技術については調査とともにプロトタイプ作成を行い,提案者による予備調査を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果の集大成の一つとなる論文が論文誌に再録されたことと、研究成果のアウトリーチ活動によって研究成果が広く社会に知られる形となったことから、概ね順調と判断した.現在進行中の研究内容については、進捗はあるものの成果として公開に至ってはいない為、今後も研鑽が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
健康及び精神的充足を両立する支援技術の提供先として、多くの研究では手足の運動機能の保持・回復に着目している.本研究ではそれらの機能の保持とQoLの維持についても検討しつつ、機能的には顔部の各種機能,行動としては食行動にフォーカスして提案を行っていくことを検討している.
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