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2016 年度 実績報告書

19世紀末から20世紀初頭の英米における形而上学研究-ホワイトヘッドを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 14J09918
研究機関東京大学

研究代表者

吉田 幸司  東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードホワイトヘッド / ジェイムズ / ブラッドリー / クワイン / 有機体の哲学 / 現代英米哲学 / 分析哲学 / 形而上学
研究実績の概要

本年度は、前年度までの、F.H.ブラドリー、W.ジェイムズ、A.N.ホワイトヘッドの形而上学研究、およびそれらと現代英米哲学の主潮との比較研究を継続しつつ、価値経験や宗教的経験のような個別的経験と科学知を統合的に論じた形而上学としてホワイトヘッド哲学を評価し直す研究を遂行した。
1.現代英米哲学の主潮、特にクワインの自然主義と、ホワイトヘッド哲学の方法を比較研究した。その結果、両者とも科学と形而上学の境界は曖昧だと考える一方、ホワイトヘッドは「よりよい理解」を通じて「よりよい生」へ冒険する働きを「思弁」に見出す点で自然主義と一線を画すことが明らかになった。
2.むしろ、ホワイトヘッドにとって哲学が例証を見出す事実は、科学が扱う経験的事実だけでなく、情感的経験や宗教的経験の事実でもあった。本研究は、ホワイトヘッドが、科学史や哲学史を解体しロマン主義的自然観を取り入れる中で独自の術語群を作り出し、世界に関する「よりよい理解」を獲得するとともに、科学・哲学・芸術を有機的に結びつけたことを明らかにした。
3.彼の形而上学における神の記述も、本研究では、神学ではなく、S.アレグザンダーらの創発的進化論や哲学的人間学の脈絡のうちで展開した。これにより、生の意義や神的経験に関する形而上学的記述を我々の具体的経験に即して論じ直すことに成功した。
4.さらに、ジェイムズの『宗教的経験の諸相』やブラドリーの方法論、現代スピリチュアリティ思想や脳科学研究を参照しながら、宗教的経験の意味に対する科学・哲学・宗教のアプローチの違いを研究した。その際にプラグマティズムを発展的に応用し、意味の世界を支えているがそれに先立つ基準の転換として宗教的経験の宗教性を捉える新たな提案を行った。
5.また、科学者やアーティストとの学際的な研究活動・報告も積極的に行い、哲学を実践において活かす様々な提言をすることができた。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「生命(life)」の形而上学―人間学へのホワイトヘッド哲学の応用―2017

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司
    • 雑誌名

      人間学紀要

      巻: 46 ページ: 41-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ホワイトヘッドの思弁哲学の方法―クワインの自然主義と比較して―2017

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司
    • 雑誌名

      論集

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 気づきと価値の生成―内部観測演劇の内部観測哲学―2016

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司・大厩諒・清水友輔
    • 雑誌名

      エウレカ・プロジェクトE!

      巻: 8 ページ: 76-91

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 宗教的経験の意味への問い―プラグマティズムの発展的解釈とその応用―2017

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司
    • 学会等名
      宗教哲学フォーラム
    • 発表場所
      上智大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2017-03-20
    • 招待講演
  • [学会発表] プロセス哲学の実践と哲学協創の試み2016

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司
    • 学会等名
      東京大学附属「共生のための国際哲学研究センター(UTCP)」
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)
    • 年月日
      2016-11-20
    • 招待講演
  • [学会発表] クワインとホワイトヘッド―哲学の方法を巡って―2016

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司
    • 学会等名
      日本ホワイトヘッド・プロセス学会
    • 発表場所
      立正大学(東京都品川区)
    • 年月日
      2016-10-09
  • [学会発表] ホワイトヘッドの「生命(life)」の形而上学―人間学への応用の試み―2016

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司
    • 学会等名
      上智人間学会
    • 発表場所
      上智大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2016-09-10
  • [学会発表] ホワイトヘッドの有機体論的自然観―科学・哲学・芸術を統合した智の実現へ向けて―2016

    • 著者名/発表者名
      吉田幸司
    • 学会等名
      新規環境美学研究会
    • 発表場所
      東京工芸大学(東京都中野区)
    • 年月日
      2016-09-03
    • 招待講演
  • [備考] ホワイトヘッドとその周辺の哲学に関するウェブサイト

    • URL

      http://www.tetsugakusha.net/whitehead/

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公開日: 2018-01-16  

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