研究課題/領域番号 |
14J10236
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関口 貴令 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | 重力波 / 防振 |
研究実績の概要 |
一般相対性理論にて存在が予言されている重力波の直接検出を世界に先駆けて行うため、日本ではレーザー干渉計を利用した大型低温重力波検出器KAGRAの建設が進められている。重力波の信号は非常に微小であるため種々の雑音低減が必要となる。KAGRAでは干渉計を構成する鏡を防振装置により懸架することで地面振動による雑音を低減し、また鏡を冷却することにより熱雑音を低減する。レーザー干渉計を重力波観測に最適な状態に保つためには鏡の位置や角度を精密に制御する必要があり、そのための機構を開発する必要がある。 本研究では低温鏡の制御機構を開発するにあたり、まず常温の防振装置の制御実験に取り組んだ。国立天文台において常温防振装置のプロトタイプ機を組み上げ、装置の振動制御を行った。シャドーセンシングを利用した変位センサーおよびコイル-磁石アクチュエータを用いて防振装置のダンピング制御を行い、鏡の低周波の残留揺れを抑えることに成功した。同様の制御を低温環境下で行うためのセンサーおよびアクチュエータの開発が現在すすめられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は常温防振装置の制御試験を主に注力したため、低温で使用可能なセンサーやアクチュエータの開発に関しては進行が遅れている。低温鏡の制御を実現するにあたり、常温において装置の振動制御を行えることは重要な必要条件であるため、常温装置の制御試験の方が重要であると判断し今年度はそちらに時間を割くこととした。
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今後の研究の推進方策 |
常温防振装置の制御試験を引き続き行い、常温における防振装置の制御方法を確立する。常温での制御試験が終了後、低温で使用可能なセンサーおよびアクチュエータの模索を行い低温用の防振装置の設計に反映させる。
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