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2014 年度 実績報告書

動的再構成が可能なストリーム処理ハードウェアに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14J10862
研究機関電気通信大学

研究代表者

オゲ ヤースィン  電気通信大学, 情報システム学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワードデータストリーム処理 / リアルタイム処理 / データストリーム管理システム (DSMS) / 継続的クエリ / クエリ・オフロードエンジン / 専用プログラマブルプロセッサ / 動的再構成 / FPGA
研究実績の概要

近年,ネットワーク経由で到着するストリームデータに対するリアルタイム処理の重要性が高まっている.これらのデータストリーム処理においては,高速化するネットワークから連続的に入力されるデータを取りこぼすことなく低遅延・高スループットでクエリ処理することが求められる.本研究では,ストリームデータに対する解析処理の高速化を目的として,SQLベースの問い合わせ処理(継続的クエリ)をワイヤ・スピードで実現する高性能と低消費電力を兼ね備えたプログラマブルプロセッサを設計・開発する.具体的には,近年高集積化しているリコンフィギュラブル・デバイスFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いてプログラマブルプロセッサのプロトタイプを実装し,クエリ・オフロードエンジンとして活用する.また,ユーザから与えられるクエリをハードウェア資源にマッピングするためのクエリ・コンパイラを実装し,高位合成言語を活用した複雑なクエリの専用ハードウェア化支援環境を構築する.

今年度は,主にクエリ・オフロードエンジンの設計・実装に焦点を当てて研究を行った.具体的には,ストリームデータ処理におけるウィンドウ集約クエリを実行するための専用ハードウェアを提案し,FPGAに実装した.さらに,一度登録された継続的クエリの変更要求などに柔軟に対応する動的再構成の仕組みを提案した.FPGA評価ボードを用いた実機上での評価実験において,提案方式はソフトウェアに比べて格段に高性能であることを示した.今年度の研究成果として,上記の内容をまとめた論文をIEEEの論文誌(IEEE Transactions on Knowledge and Data Engineering)に投稿した.また,研究成果の知財化にも積極的に取り組んでおり,上記論文の核となるアイディアをまとめて特許を出願中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書の研究目的に記載した下記(1),(2)及び(3)については,概ね順調に進んでいる.特に(3)に関しては当初の計画以上の成果が得られており,特定のワークロードに対して100倍以上の処理性能を実現した.
(1) 10Gbpsレベルの高性能ネットワークに対して,ワイヤスピードでクエリ処理を実現するクエリ・オフロードエンジンを設計・実装する.
(2) ハードウェア設計の専門知識を必要とせずに,SQLライクなクエリ言語で記述された処理内容を入力として利用できるハードウェア/ソフトウェア環境を開発する.
(3) 上記(1)及び(2)を用いて,汎用プロセッサと比較して10~20倍のスループットを実現する.

今後の研究の推進方策

上記【現在までの達成度】に記載の通り,ここまでの研究成果については概ね計画通り順調に進んでいる.特に26年度に実施したデータストリーム処理におけるスライディングウィンドウ・ベースの集約演算(sliding-window aggregation)に対する良好な研究成果から,他の主要演算に対する本研究手法の有効性の見通しを立てることができた.27年度は,主にこれらに関して研究を進める予定である.具体的には,スライディングウィンドウ・ベースの結合演算(sliding-window join)について,同様なアプローチにより高スループット&低レイテンシなクエリ・オフロードエンジンの設計・実装に取り組んでいく.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] データ処理装置およびデータ処理方法,並びにプログラム2014

    • 発明者名
      オゲ ヤースィン,吉見 真聡,入江 英嗣, 吉永 努
    • 権利者名
      オゲ ヤースィン,吉見 真聡,入江 英嗣, 吉永 努
    • 産業財産権種類
      特許特願2014-230387
    • 産業財産権番号
      特願2014-230387
    • 出願年月日
      2014-11-13

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公開日: 2016-06-01  

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