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2014 年度 実績報告書

国内伴侶動物に感染するヘリコバクター属菌の伴侶動物およびヒトにおける病原性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14J10888
研究機関東京大学

研究代表者

久保田 早苗  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードHelicobacter / 人獣共通感染症 / イヌ / ネコ / 病原性 / 疫学調査 / Helicobacter pylori
研究実績の概要

イヌやネコでは、ヒトで蔓延しているHelicobacter pylori (H. pylori)の感染はほとんど報告がない一方で、H. bizzozeronii,やH. heilmanniiなどのNon-H. pylori helicobacters (NHPH)は高頻度に感染していることが報告されている。一方、ヒトへのNHPHの感染率はH. pyloriに比べて低いものの、近年NHPHがヒトに胃疾患を引き起こすという報告がなされ、人獣共通感染症として関心が高まっている。
獣医学領域でのNHPHの感染率・感染菌種は全て海外で報告されたものであり、現在日本国内での大規模な調査はなされていない。また、NHPHのイヌ・ネコでの病原性については未だ一定の見解が得られていないが、H. pyloriの病原性も株ごとに大きく異なることからNHPHの病原性についても株にまで分類し考慮する必要がある。
そこで、平成26年度には国内のイヌ・ネコにおけるNHPHの感染率と感染菌種を東京大学大学院農学生命科学研究科附属動物医療センターに来院した症例を対象に調査した。
イヌに関しては144症例で調査が完了し、国内では国外で過去に報告されていないヘリコバクター属菌の新菌種が蔓延している可能が明らかとなり、その菌のウレアーゼ遺伝子による系統解析の結果を日本獣医内科学アカデミー2015年大会で口頭発表した。また、その菌のHSP60遺伝子による系統解析を加えた報告がACVIM2015年大会の査読審査を通過し、ポスター発表を行う予定である。さらに、今回国内で初めてH. pyloriに感染しているイヌの症例が見つかり、H. pyloriが人獣共通感染症となり得る可能性が示唆された。現在はこれらの報告の論文を作成中である。ネコに関しては現在26症例の検体が収集され、平成27年度も引き続き検体を収集していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書の中で平成26年度中に計画していた研究1,2のうち、ネコにおける尿素呼気試験の測定系の確立と、尿素呼気試験を使ったイヌとネコにおけるヘリコバクター属菌の感染率の調査は予備実験中であるが、いちばん主要な研究である疫学調査に関しては、予想に反した発見があり、大きな成果が得られた。

今後の研究の推進方策

今後も、当初の申請書の内容に沿って研究を遂行していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] PREVALENCE OF NOVEL HELICOBACTER STRAINS IN JAPAN2015

    • 著者名/発表者名
      久保田早苗
    • 学会等名
      American College of Veterinary Internal Medicine
    • 発表場所
      インディアナポリス(アメリカ)
    • 年月日
      2015-06-03 – 2015-06-06
  • [学会発表] 犬の胃内感染ヘリコバクター属菌の国内疫学調査2015

    • 著者名/発表者名
      久保田早苗
    • 学会等名
      日本獣医内科学アカデミー2015年大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県、横浜)
    • 年月日
      2015-02-20 – 2015-02-22
  • [学会発表] 猫のLarge granular lymphocyte lymphomaの治療法と予後についての回顧的研究2015

    • 著者名/発表者名
      久保田早苗
    • 学会等名
      日本獣医内科学アカデミー2015年大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県、横浜)
    • 年月日
      2015-02-20 – 2015-02-22

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公開日: 2016-06-01  

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