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2014 年度 実績報告書

(-)-テトロドトキシンの合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 14J11303
研究機関名古屋大学

研究代表者

前原 知明  名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワード全合成 / 1,3-双極子付加環化反応 / テトロドトキシン
研究実績の概要

本研究はテトロドトキシンの最も短工程で大量合成可能な合成経路の確立を目的として行う。
テトロドトキシンに対する逆合成解析を述べる。TTXのオルトエステルおよびグアニジン部位は合成の終盤で導入することとすると、中心骨格である6置換シクロヘキサンを重要中間体として設定できる。4a位炭素原子、5位酸素原子は分子内1,3-双極子付加環化反応によってイソキサゾリンとして導入することを計画した。さらに、シクロヘキサン上の官能基は、Diels-Alder反応により合成可能であると考えられる4のビシクロ[2.2.1]骨格の三次元的特性を利用して立体選択的に導入することを計画した。
文献記載の方法に従って調整したエンジオンから三段階の変換を経てエノンを合成した。これに対し、ヒドロキシメチル基の1,2-付加、およびジヒドロキシル化を行ったところ、反応は三環性骨格のconvex面である紙面手前側から立体選択的に進行し、トリオールを良好な収率で得ることに成功した。続いて水酸基の保護、増炭反応、およびシクロペンタジエンの除去を行うことでウレタンとした。次にウレタンを市川転移反応の条件に伏したところ、二環性骨格のconvex面より窒素原子を導入することができ、カーバメートへと導いた。
続いてビニル基の酸化的開裂と生じたアルデヒドに対して立体選択的にアルキンを付加させることでC9位の立体化学の制御、および1,3-双極子付加環化反応に必要なリンカーの導入を行った。さらに、アルキンの部分還元と所属研究室で開発されたオキシム合成法を行うことにより付加環化反応前駆体を調整した。そしてオキシムを酸化したところニトリルオキシドが発生し、6員環上の二重結合と1,3-双極子付加環化反応を起こすことでイソキサゾリンを単一の立体異性体として与えた。これにより重要中間体のシクロヘキサン環上のすべての立体化学の制御を完了した

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

テトロドトキシンの有する8つの不斉点のうち7つの制御を完了し、主骨格の構築にも成功した。また、大量合成できるように合成経路の最適化も完了しているので計画以上に進展したと言える。

今後の研究の推進方策

1,3-双極子付加環化反応によって得られたイソキサゾリンの開裂とグアニジンの導入について検討を行い、ラセミ体でのテトロドトキシンの全合成を達成する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Synthetic Studies on (-)-Tetrodotoxin2015

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Maehara
    • 学会等名
      24th International Symposium: Synthesis in Organic Chemistry
    • 発表場所
      イギリス
    • 年月日
      2015-07-20 – 2015-07-23
    • 国際学会

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公開日: 2016-06-01  

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