研究課題
私は、前海馬支脚のhead-direction cellの膜電位動態の解明を目的に研究を進めてきた。結果、頭部方向選択性を示す細胞からの記録を取ることができた(選択性を示す方向を、以下「嗜好方向」と呼ぶ)。そして、そのニューロンは、時計回りの試行では嗜好方向において脱分極を伴っていたものの、反時計回りの試行では、嗜好方向において過分極を伴っていることが明らかになった。研究を進めるにあたり、パッチクランプ法の手法をwhole cell記録からセルアタッチ記録に変更した。マウスのオペは、これまでと同様の過程を踏んだ。まず無回転で1分間ベースラインの発火率を記録した。この時のベースラインの発火率は0.1 Hzであった。回転台を時計回り、反時計回りに駆動し、記録をおこなった。回転台を約20往復(計40試行)させた。方向選択性を示す細胞から記録が取ることができた。この細胞の嗜好頭部方向は、82.8度であった。また、同様の傾向は、時計回りの試行および反時計回りの試行のいずれにおいても観察された。時計回りの試行の嗜好方向は76.4度であり、反時計回りの試行の嗜好方向は83.4度であった。また、前半の10往復(20試行)と後半の10往復(20試行)において、嗜好方向に顕著な差は認められなかった。ベースライン時と比較して、回転時は、発火率が約2 Hzにまで上昇した。時計回りの試行と反時計回りの試行において、発火率に差は見受けられず、また、回転速度と発火率の関係にも顕著な差は見られなかった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS Biology
巻: 13 ページ: e1002231
10.1371/journal.pbio.1002231.