研究課題/領域番号 |
14J11603
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
塚原 健太 東京学芸大学, 連合学校教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | カリキュラム開発 / 唱歌科 / 音楽科 / 教師教育 / 教師の力量形成 |
研究実績の概要 |
本年度は、主に1.大正新教育期の唱歌科カリキュラム論の全体動向および欧米音楽教育情報の受容状況に関する予備調査、2.唱歌専科教師によるカリキュラム開発の事例研究を行った。
1.大正新教育期の唱歌科カリキュラム論の全体動向および欧米音楽教育情報の受容状況に関する予備調査 本研究で扱う個別の訓導の事例の位置づけや、カリキュラム開発の前提条件を検討するために、教育関係雑誌および音楽教育関係雑誌の悉皆調査を通して、関連記事のリストアップを行った。また、当時の欧米教育情報の受容状況に関しては、上記の作業の中で、欧米の音楽教育に関する記事をリストアップした。さらに、ハーバード大学教育学部図書館(Monroe C. Gutman Library)にて、欧米の教育雑誌に掲載された音楽教育関係記事を収集した。このうちコロンビア大学ティーチャーズ・カレッジのリンカーン・スクールで教師を務めていたサティス・コールマンが提唱した「創造的音楽」の日本への受容、特に唱歌専科教師のカリキュラム開発へ与えた影響について検討した。その成果は論文にまとめ発表した。
2.唱歌専科教師によるカリキュラム開発の事例研究 次の(1)~(3)の事例について、大正新教育期に唱歌科カリキュラム開発に関わった教師の著書や雑誌記事などの個人資料、および訓導が所属していた学校関係の資料を収集した。さらに、事例(1)は学校全体の研究態勢、事例(1)・(2)は唱歌専科教師のカリキュラム開発の特質を検討し、その成果の一部を学会報告および論文に発表した。 (1)東京女高師附小の作業教育カリキュラム開発における唱歌専科訓導玉村なみの実践、(2)北村久雄の「音楽生活の指導」にみるカリキュラム論の形成、(3)岡崎師範学校附属小学校の山田信義における音楽題材を中心とした生活単元開発
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定していた資料収集は、ほぼ予定通りに完了し、事例の分析についても充分に行えた。さらに、次年度に予定していたアメリカでの資料調査を繰り上げて行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、唱歌専科教師のカリキュラム開発の事例研究を進めていくとともに、これらの事例を大正新教育期のカリキュラム開発や唱歌教育論の全体的な動向に位置づけるために、教育関係雑誌の悉皆調査を重点的に行っていく。
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