研究課題
本研究では、下垂体の発生・分化、細胞供給と機能維持機構の解明を目的に研究を行っている。1) 胎仔期下垂体に存在するS100β陽性細胞の解析、2) 転写因子Prop1、Prrx1、Prrx2のメチル化における転写制御機構の解析を実施しており、順に以下に記す。1) Ca2+結合タンパク質であるS100βに陽性を示す細胞は、下垂体前葉に出生後に出現することが報告されており、分化能を有している。我々は、出生以前の胎仔期下垂体 (前・中・後葉を含む)でS100βが、既に発現していることを報告している。さらに、胎仔期下垂体周囲にS100β陽性細胞が観察された。このようなことから、胎仔期下垂体前葉にS100β陽性細胞が存在するか解析を試みた。免疫染色の結果、S100β陽性細胞が、胎仔期下垂体前葉に観察され、これらの細胞は血管系の細胞や神経堤細胞の性質を有している細胞から構成されていることが明らかとなった。2) Prop1、Prrx1、Prrx2は下垂体の幹・前駆細胞で発現している転写因子である。これらの転写調節機構を明らかにすることが、幹・前駆細胞の維持・分化機構の解明につながると考えられる。そこで、 Prop1、Prrx1、Prrx2の発現制御機構解析の一端を明らかにするために、DNAのメチル化状態の解析を実施した。Prop1のメチル化状態は、ラット胎仔期と生後の下垂体と陰性組織として肝臓を用いた。これらの結果から、Prop1遺伝子の上流と遺伝子内のメチル化Prrx1とPrrx2の解析では、Prrx1とPrrx2陽性と陰性の株化細胞を用いた。これらの結果から、メチル化状態に差がある領域を確認した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell and tissue research
巻: 364 ページ: 273-288
10.1007/s00441-015-2325-2
巻: 363 ページ: 513-524
DOI 10.1007/s00441-015-2256-y