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2014 年度 実績報告書

X線観測に基づくMixed-Morphology型超新星残骸の系統的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14J11783
研究機関奈良女子大学

研究代表者

南 沙里  奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード超新星残骸 / X線放射 / 複合型 / すざく衛星 / Kes 27
研究実績の概要

形成過程が未解明である複合型超新星残骸の進化過程を解明するため、超新星残骸 Kes 27からのX線放射について解析を行った。
あすか衛星のX線観測データを用いた先行研究では、プラズマ中に含まれるケイ素元素と硫黄元素の電離がプラズマの電子温度で期待されるよりも進んでいるとされ、過電離プラズマの存在が示唆されていた。過電離プラズマは通常の超新星残骸の形成シナリオでは説明できず、本研究では過電離プラズマの形成過程を明らかにすることで複合型超新星残骸の形成史を明らかにすることができると考えている。
高エネルギー分解能を誇るすざく衛星の観測データを用いた解析で、Kes 27に含まれる鉄元素からのKα輝線を初めて検出した。輝線の中心エネルギーから、鉄元素は電離のあまり進んでいないことが明らかになった。さらにこの輝線は通常の超新星残骸で観測されるよりもはるかに大きなエネルギーの広がりをもつことから、鉄元素を含んだ複数の温度または電離状態をもつプラズマが併存すると考えられる。これはSuzaku-MAXI2014のproceedingにて報告済みである。
また、これまでは5 keVまでの低いエネルギー領域が1温度のモデル成分で再現できることが示されていた。しかし、今回鉄元素からのKα輝線の情報を含む広いエネルギー領域でのスペクトルをモデルと比較することで、Kes 27のプラズマは異なる温度をもつ少なくとも3成分以上の成分から構成されていることを明らかにした。ケイ素元素や硫黄元素の電離状態については、過電離状態であると示す強い証拠は現在のところ得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は海外で開催されたサマースクールや国内学会での成果発表を予定していたが、体調不良を理由に断念したため成果報告の場がもてなかった。合わせて研究活動についても体調によりやや遅れ気味ではあるが、年次計画として大きな変更はなく、2年目もMixed-Morphology型超新星残骸の解析を続けることで研究の達成を目指す。

今後の研究の推進方策

今後はKes 27のプラズマが成分ごとにどのような空間構造を持つかを調査することで、プロジェニター爆発後からの進化過程を明らかにする。また、これらの結果を複合型超新星残骸に共通の性質の系統的調査を行うのに役立て、研究の達成に繋げる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Mixed-morphology supernova remnant Kes27 with Suzaku2014

    • 著者名/発表者名
      S. Minami, S. Yamauchi, K. Koyama
    • 雑誌名

      Suzaku-MAXI 2014: Expanding the Frontiers of the X-ray Universe

      巻: ー ページ: 48-49

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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