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2014 年度 実績報告書

長波長AIEE作動性プローブの開発とその応用展開

研究課題

研究課題/領域番号 14J12068
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 央樹  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード蛍光プローブ / AIEE
研究実績の概要

本年度は黄色領域でAIEE特性を示すBzBMNを合成展開して、その特性が保持される構造的要因を検証することで、従来の蛍光制御法では検出し得ない酵素活性を細胞内で検出できる蛍光プローブの設計法を確立することを目指した。
まず、BzBMNのdiethylamino基を種々のアルキル鎖に置換した化合物を設計・合成し、このdiethylamino基の置換がバッファー中における光学特性に与える影響を精査した。その結果、BzBMN誘導体がAIEE特性を示すためにはdiethylamino基構造が保存されている必要があることが示唆された。また、細胞内環境を模倣したFBS中での蛍光測定においてdiethylamino基と特に類似しているpyrrolidyl基を導入した化合物BzpyrがBzBMNより大きなAIEE特性を示し、細胞系アッセイに適用する上ではBzpyrの方がAIEE特性を示す母核としてBzBMNより実用的であることが示唆された。
次に酵素認識部位を付与するためのリンカー構造が導入できるかを検討するため、benzyloxy部位からアミド結合を介して末端にアミノ基を持つ種々の長さのアルキル鎖を導入したBzBMN誘導体を設計・合成しその物性、光学特性を精査した。その結果、アルキル鎖が一定以上の長さの化合物において凝集体を形成することが動的光散乱法により確認され、またAIEE特性はアルキル鎖の長さに相関して大きくなった。
このように、機能性蛍光プローブの母核が見出せたため、その知見を基にcaspaseプローブBzC11DVEDAcを開発した。開発したBzC11DVEDAcは、酵素反応前は目的通りバッファー中に分散していることが動的光散乱法により確認され、蛍光量子収率も低い値に抑えられていた。そしてcaspase-3の添加直後においては蛍光が増大し、活性検出が可能であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

黄色領域でAIEE特性を示す蛍光団BzBMNを合成展開し、AIEE特性を示すための構造的要請ならびに化学的要請を精査することで、酵素活性検出蛍光プローブへと構造展開するために蛍光団が満たすべき条件を明らかとしたため。また、caspaseプローブを開発して酵素活性検出が可能であることを示し、同時に今後改善すべき方向性を見出したため。

今後の研究の推進方策

開発したBzC11DVEDAcの更なる構造展開により、細胞内導入性およびAIEE特性の保持の観点から細胞実験へ応用可能な構造要因の検討を行う。そして、この知見を踏まえてこれまで優れたプローブの開発が困難であった官能基を基質に転移する転移酵素に対する蛍光プローブの設計し、マルチウェルプレートを用いたスクリーニングおよびへの応用可能性の検討を行っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 機能性蛍光プローブへの応用を目指した長波長AIEE作動性蛍光団の開発研究2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤央樹、寺井琢也、長野哲雄、浦野泰照
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2015-03-27
  • [学会発表] 発光性希土類錯体の寿命変化を利用したNAD(P)H依存性酵素活性検出プローブの開発2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤央樹、寺井琢也、長野哲雄、浦野泰照
    • 学会等名
      第12回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      2014-07-14
  • [学会発表] Detection of NAD(P)H-dependent enzyme activity by utilizing changes in luminescence lifetime of terbium complexes2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Ito, Takuya Terai, Tetsuo Nagano, and Yasuteru Urano
    • 学会等名
      The Bioanalytical Sensors Gordon Research Conferences
    • 発表場所
      アメリカ、ロードアイランド州、ニューポート
    • 年月日
      2014-06-25

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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