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2014 年度 実績報告書

胸腺プロテアソームによるT細胞の正の選択機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14J12345
研究機関東京大学

研究代表者

大手 友貴  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワード胸腺プロテアソーム / プロテアソーム / 正の選択 / 抗原ペプチド / MHC / T細胞受容体
研究実績の概要

胸腺プロテアソーム特異的に含まれる触媒サブユニットであるβ5t欠損マウスではCD8+T細胞の正の選択が正常に行われず、CD8+T細胞が野生型マウスに比べて20%程度まで著減する。胸腺プロテアソームは正の選択が行われる場である胸腺皮質上皮細胞(cTEC)に特異的に発現しており、β5t欠損マウスのcTECにおいては胸腺プロテアソームの代わりに免疫プロテアソームが発現している。このことは胸腺プロテアソームと免疫プロテアソームが作り出すペプチドレパトアは異なっており、胸腺プロテアソームが作り出すペプチドレパトアのみが正の選択を可能にすることを示唆する。このため本研究においては胸腺プロテアソームが作り出すペプチドレパトアが有するモチーフを明らかすることは最重要課題である。
本課題を達成するためには最終的にマウスの胸腺よりcTECを精製し、実際にその細胞表面上のMHC class I結合ペプチドを野生型マウスとβ5t欠損マウスで比較を行うことが必須であるが、1匹のマウスよりcTECは10,000個程度しか得られず、従来型の質量分析装置では解析が実現しなかった。しかし、orbitrap型の高感度な質量分析装置を用いてマウスから単離したcTEC500,000個よりMHCクラスI結合ペプチドの同定を試みたところ、400本程度のペプチドを検出することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

最終的な目標であるcTEC上のMHCクラスI結合ペプチドの解析はcTECの回収率、質量分析装置の感度から当初は不可能かと思われていたが、高感度のorbitrap型の質量分析装置を利用することにより現実に可能となりつつあるため。

今後の研究の推進方策

cTEC上のMHCクラスI結合ペプチドが同定され次第、正の選択を促進していると考えられるペプチドに関してこのペプチドを結合したMHCクラスIを発現するマウスを作製し、これがβ5t欠損マウスのCD8+T細胞の減少の表現型を回復させるか否かを確認する。
また胸腺プロテアソーム特異的に切り出されるペプチドが同定されれば、そのアミノ酸配列を元に胸腺プロテアソーム特異的基質および阻害剤の作出を試みる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Thymoproteasomes produce unique peptide motifs for positive selection of CD8+ T cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Ohte Y, Sasaki K, Takahama Y, Murata S
    • 学会等名
      新学術領域研究「ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム」領域班会議
    • 発表場所
      愛知・蒲郡
    • 年月日
      2014-12-04 – 2014-12-04
  • [学会発表] 胸腺プロテアソームが繰り出すT細胞の正の選択に関わるペプチド解析2014

    • 著者名/発表者名
      大竹一輝、村田茂穂、佐々木克博、大手友貴
    • 学会等名
      第37回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神奈川・パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-25
  • [学会発表] Thymoproteasomes produce unique peptide motifs for positive selection of CD8+ T cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Ohte Y, Sasaki K, Takahama Y, Murata S
    • 学会等名
      新学術領域研究「ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム」Symposium for young ubiquitin researcher
    • 発表場所
      京都・国際高等研究所
    • 年月日
      2014-11-11 – 2014-11-11

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公開日: 2016-06-01  

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