研究課題
これまでにアミノポリオール化合物であるmediomycin、ECO-02301、neotetrafibricinの3化合物の比較から、1型モジュール型ポリケタイド合成酵素はケトシンターゼドメインとその上流の修飾ドメインが協調して同時に遺伝子組み換えを起こすメカニズムが判明していたが、新たに見出されたneomediomycinのポリケタイド合成酵素を合わせた解析から、この遺伝子組み換えメカニズムが同様に適応されることが分かった。ケトシンターゼの配列解析をneomediomycinに関しても行った結果、これまでに同定されていた、基質の修飾段階の違いを反映する特徴的なモチーフは、neomediomycinにおいても同様に保存されていることが明らかとなった。また、4つのアミノポリオール化合物のポリケタイド合成酵素の配列比較からは、これまで本ドメインの脱水反応における反応機構では本残基は直接の触媒には関わらないとされているチロシン残基が活性に必須であることが示唆された。さらに、アミノ酸配列のアライメント解析により、アシルトランスフェラーゼドメインの後方に位置する保存されたリンカー領域が遺伝子組み換えのホットスポットとなっていることを明らかとした。以上、4つのポリケタイド合成酵素の比較進化解析はこれまでの少数のポリケタイド合成酵素での解析結果を裏付けるものであり、詳細な配列分析により得られた遺伝子進化メカニズムに対する知見は、ポリケタイド合成酵素を自然界が組み替えるメカニズムの一端を明らかとしたものであり、モジュール型ポリケタイド合成酵素の合理的再設計に応用されることが期待出来る。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Angew. Chem. Int. Ed.
巻: 56 ページ: 1740-1745
10.1002/anie.20161137/
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/genetic-mechanism-for-structural-diversification-of-natural-compounds.html