研究課題
2型糖尿病発症予防を目指した臨床エビデンスの構築とリスク診断ツールの一般応用可能性を検討するため、臨床疫学研究と介入研究を融合した研究を実施した。本年度も糖尿病分野の英文雑誌に自身が筆頭である論文が掲載されるなど、糖尿病発症予測に役立つ研究成果を輩出した。肥満体格やその変化は2型糖尿病発症にどの程度関与するかについて検討した結果では、明らかな代謝異常を合併していなくても、肥満者では将来の2型糖尿病発症リスクが非肥満者よりも有意に高いことを認めた。糖尿病発症前の長期間の肥満度の変化を検討し、英文雑誌に報告した。早期腎機能低下を反映するシスタチンC値の糖尿病発症予測意義について研究を行い、検討結果は糖尿病専門医学雑誌に発表した。 また、世界の糖尿病専門医や研究者らが会合した欧州糖尿病学会において、2型糖尿病発症の病態背景を検討した結果を口頭発表した。自身の多くの研究成果は、糖尿病ガイドラインに掲載されており、科学的エビデンスの蓄積に寄与していると考えられる。さらに、特に遺伝素因を含めた運動・栄養指導の介入研究を行うために必要な研究手法を習得すべく、米国欧米人を対象とした介入研究のデータを解析した。これまでに有意義な結果が得られており、論文投稿準備を進めているところである。
1: 当初の計画以上に進展している
本研究で得られた研究成果は英文原著論文として、糖尿病関連の英文医学雑誌に掲載されており、研究結果は糖尿病ガイドラインの改定に貢献していると考えられる。さらに遺伝素因を含めた場合の食事指導介入効果を検討しており、結果は米国糖尿病学会の口頭発表演題として採択されている。研究結果は現在論文投稿中であり、来年度中に掲載受理されるはずである。
肥満者を対象とした食事指導介入研究のデータを解析する。栄養摂取量・身体活動量などさまざまな生活習慣要因と遺伝要因の交互作用が代謝疾患に与える影響を解析する。これらの一連の検討において得られた研究成果を国際学会において発表し、英語論文として報告する。さらに、指導介入効果が高い者を選定するために新たな解析手法を用いた詳細な検討を行う。これらの研究結果から糖尿病予防介入プログラム構築に寄与するエビデンスが得られるはずである。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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